【高島礼子さんインタビュー】
「“この年齢になってからの友情”が、想像以上に心地いい」
まさに“今”の自分に重なる、舞台『かたき同志』
まもなく始まる舞台『かたき同志』も、女性同士の関係に焦点をあてた物語。脚本が橋田壽賀子さん、演出が石井ふく子さんという名コンビによる作品で、1985年の初演以来、キャストを変えて何度も上演されてきました。物語の舞台は江戸時代の下町。藤山直美さん演じる飲み屋の女将・かめと、高島さん演じる老舗呉服問屋の女主人・お鶴という、育ちも気質も異なるふたりが、子どもを思うあまり “かたき”となり、やがては友情が芽生えていく……という人情喜劇です。
「この作品にすごく共感したのは、まさに今の私も、新たな友情を感じているから。昔からの友人じゃなくても、深い絆が生まれることもあるんですよね。かめとお鶴のように、最初は衝突があっても、次第に本音でつながっていく。40年前の作品ですが、今でもまったく古さを感じさせないんです」
10年前には、三田佳子さんと藤山さんが演じる『かたき同志』を観ていたという高島さん。当時の印象も鮮明に覚えているそう。
「まさか自分が演じるとは思ってもいなかったですね。当時、三田さんといえばかっこいい“理想の上司”のような役が多い印象だったから、お鶴のようにいつも酔っ払って、口うるさいお母さん役を演じられることに驚いて。でも、それがすごく素敵だったんです。70代になって新しいイメージの役に挑戦していらっしゃることに、俳優としての希望をもらいました」
演出を手がける石井ふく子さんからは、「これは重労働ですよ、大変ですよ」と、覚悟を促すようなひと言も。実際に、稽古や本番に備えての体力づくりは大きな課題、と言います。
「台詞も多いし、着物で立ったり、座ったり、ときには四つん這いになったり。しかも石井先生の舞台では、立ち上がるときに手を床についたらダメなんですよ。足腰の力でぐっと立たなきゃいけないので、それは大変です。だけど99歳を迎える先生が、今も現場でポジティブにお仕事されているんだから、そんな先生の前で『痛い』『疲れた』なんて言えません。他の先輩方も、いくつになってもハイヒールをはいていたりして、本当にかっこいい! だから将来が怖くないし、私もみなさんと一緒に、死ぬまでこの世界で頑張りたいなって思うんです」
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