癒しと力をくれるヒューマンドラマ3選
人生の終わりを悟った女性と家族のちょっと変わった物語
『ポルトガル、夏の終わり』
『ポルトガル、夏の終わり』© 2018 SBS PRODUCTIONS / O SOM E A FÚRIA © 2018 Photo Guy Ferrandis / SBS Productions
ある夏の終わり。女優のフランキーは、“この世のエデン”と称されるポルトガルの世界遺産の町シントラに、一族と親友を呼び寄せます。プールで泳ぎ、のんびり散歩をして、ごく普通のバケーションのようですが、彼女にはある目的がありました。
『ポルトガル、夏の終わり』© 2018 SBS PRODUCTIONS / O SOM E A FÚRIA © 2018 Photo Guy Ferrandis / SBS Productions
病に侵されているフランキーは、自らの死期を悟り、自分がいなくなった後も愛する者たちが路頭に迷うことなく生きていけるよう段取りを整えようとしていたのでした。しかし……。
『ポルトガル、夏の終わり』© 2018 SBS PRODUCTIONS / O SOM E A FÚRIA © 2018 Photo Guy Ferrandis / SBS Productions
思い通りに生きてきて女優としても成功しているフランキーは、良くも悪くも他人をコントロールしようとするところがありますが、息子はそれに反発。また、娘夫婦をはじめそこに集まった人々は皆それぞれに問題や秘密を抱えていて、フランキーが理想とする形に収まりそうにはありません。
『ポルトガル、夏の終わり』© 2018 SBS PRODUCTIONS / O SOM E A FÚRIA © 2018 Photo Guy Ferrandis / SBS Productions
フランキーを演じるのは『ピアニスト』『エル ELLE』など多くの作品で高い評価を経ているフランスの名女優イザベル・ユペールで、人生の終わりを見つめる主人公の複雑な内面を静かに表現しています。
自分が死んだ後も周囲の人のことを心配してあれこれ画策するのは面倒見がよいともいえますが、自分勝手ともいえますし、忘れられたくないという寂しさからの行動なのかもしれません。ポルトガルの町や海、サマードレスなどのファッション、インテリアまでブルーやグリーンを基調にした美しい色彩のなかで綴られる人生賛歌です。
『ポルトガル、夏の終わり』
2019年製作
デジタル配信中
DVD ¥4,180
発売・販売元:ギャガ
© 2018 SBS PRODUCTIONS / O SOM E A FÚRIA © 2018 Photo Guy Ferrandis / SBS Productions
この記事のキーワード
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。
関連記事
-
-
-
-
-
-
-
PR
-
PR
-
PR