更年期の不調をアロマでケア! おすすめの精油や楽しみ方を解説
更年期のつらい症状を香りでケアするアロマテラピーが注目されています。アロマテラピーが50代女性に人気の理由や、不安・イライラなどに役立つおすすめの精油(エッセンシャルオイル)をご紹介します。
なぜ更年期の不調にアロマテラピーがいいの?
まずはアロマテラピーと女性の更年期について理解を深めましょう。
自然療法のアロマテラピーとは
「公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)」では、アロマテラピーを次のように定義しています。
「アロマテラピーは、植物から抽出した香り成分である『精油(エッセンシャルオイル)』を使って、美と健康に役立てていく自然療法です。
アロマテラピーの目的
● 心と身体のリラックスやリフレッシュを促す
● 心と身体の健康を保ち、豊かな毎日を過ごす
● 心と身体のバランスを整え、本来の美しさを引き出す
アロマテラピーは補完代替医療のひとつです。なお、アロマテラピーとアロマセラピーは同じ意味です。
精油の作用
精油の代表的な作用として、鎮静作用、消化促進作用、ホルモン調節作用、免疫賦活作用(※)、抗菌作用、抗ウイルス作用、虫よけ作用などがあります。
※免疫賦活作用とは、免疫のはたらきを強める作用のことです
精油が体に取り込まれる仕組み
精油はどのようなメカニズムで私たちの心身に影響を与えるのでしょうか。まず、嗅覚を通じて脳(大脳辺縁系や視床下部)に届き、自律神経系、免疫系、内分泌系にはたらきかけて作用を発揮します。
また、精油を使ったアロマトリートメントやアロマバスなどを取り入れた場合は、皮膚からも吸収されて全身に作用します。
更年期のセルフケアにも人気
更年期とは、閉経を挟む前後5年ずつの10年間を指し、一般的に45歳から55歳ごろまでです。この時期はほてり、ホットフラッシュ、めまい、頭痛、イライラ、不安感、不眠などさまざまな更年期症状が起こりやすくなります。
主な原因は女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少すること。女性ホルモンの分泌をつかさどる脳の視床下部は自律神経をコントロールするはたらきをしています。女性ホルモンが減少すると脳が混乱し、自律神経のバランスが崩れてさまざまな症状が現れると考えられています。
自律神経にはたらきかける精油は更年期症状の緩和が期待できることから、多くの50代女性がアロマテラピーをセルフケアに取り入れています。
更年期のセルフケアにおすすめの精油
更年期のセルフケアにおすすめの精油をご紹介します。精油は1種類だけ使ったり、複数のものをブレンドして使ったりする方法があります。
ラベンダー
アロマテラピーの代表的な精油であり、フローラルのやわらかい香りが人気です。鎮静作用があることから、ストレスの緩和やリラックス、快眠に役立ちます。
スイートオレンジ
フレッシュな甘いオレンジの香り。ストレスによるイライラや不安をやわらげたり、落ち込んだ気分を明るく前向きにしたりする作用があります。リラックス作用があり、快眠にも役立ちます。
ゼラニウム
ローズのような華やかな香りは特に女性に好まれています。女性ホルモンのエストロゲン様作用があり、気分の浮き沈みなどさまざまな更年期症状に効果があるといわれています。
クラリセージ
ハーブのさわやかな香りに加え、ナッツのような香りも持ち合わせています。女性ホルモンのエストロゲン様作用があり、さまざまな更年期症状に効果があるといわれています。
ペパーミント
精油成分にメントールを含み、フレッシュで清涼感のある香りです。リフレッシュ作用があり、眠気を抑えたり、ストレスをやわらげたりするのに役立ちます。また、鼻やのどの調子を整えるほか、虫よけ作用や消臭作用もあります。
ベルガモット
紅茶のアールグレイの香りづけに使用されており、柑橘のさわやかさとフローラルな甘さを併せ持つ香りです。リラックス作用があり、気分の浮き沈みを落ち着かせたり、ストレスによる不安や緊張をやわらげたりするのに役立ちます。
ティートゥリー
「ティーツリー」「ティートリー」とも呼ばれ、フレッシュで清潔感のあるすっきりした香りです。リフレッシュ作用があり、頭をすっきりさせたいときに役立ちます。また、免疫賦活作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用があります。
ネロリ
ビターオレンジの花の精油で、上品なフローラルの香り。リラックス作用があり、不安や緊張を鎮めて心を穏やかにしたいときや、睡眠の質を高めたいときに役立ちます。
アロマテラピーの楽しみ方
アロマテラピーはさまざまな方法で生活に取り入れることができます。50代女性の活用シーンとしては、寝るときに香りを空間に広げたり、更年期症状を自覚したときに取り入れたりすることが多いようです。アロマテラピーの代表的な楽しみ方をご紹介します。
芳香浴(ほうこうよく)
精油の香りを空間に広げて楽しむ方法。精油の香りを拡散させるアイテムを「アロマディフューザー」と呼びます。アロマディフューザーは種類が豊富で、たとえば以下のようなものがあります。
● リードディフューザー
精油の入った容器にリードと呼ばれる棒を挿し、成分を吸い上げることで香りが広がります。
● アロマストーン
素焼きの石などに精油を数滴垂らすと、しみ込んだ精油が徐々に揮発して香りが広がります。
● アロマポット
水を入れた受け皿に精油を数滴垂らし、キャンドルや電気などの熱を使って香りを拡散させます。
ディフューザーを使わない芳香浴として、お湯を入れた容器に精油を1~2滴垂らしたり、ハンカチに精油を1~2滴垂らしたりする方法もあります。
アロマ吸入
お湯に精油を1~3滴垂らして、鼻と口から吸い込む方法です。花粉症など呼吸器系の不調を和らげる効果が期待できます。
アロマバス
無水エタノールに混ぜた精油をバスタブや洗面器に入れて全身浴や手浴・足浴をする方法です。入浴との相乗効果で血行促進やリラックス、疲労回復などが期待できます。
アロマトリートメント
精油を植物性のオイルで希釈したトリートメントオイルを使ってマッサージをする方法。血行促進やリラックス、保湿などの効果が期待できます。
精油の選び方
精油を選ぶときに気を付けたいことをまとめました。
天然の精油を使う
日本アロマ環境協会(AEAJ)は、精油(エッセンシャルオイル)の定義を「植物の花、葉、果皮、果実、心材、根、種子、樹皮、樹脂などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質である。各植物によって特有の香りと機能を持ち、アロマテラピーの基本となるものである」としています。アロマテラピーには天然の精油を使いましょう。
類似品に注意
製品名が「アロマオイル」「フレグランスオイル」「ポプリオイル」などと表示されているものは、人工的に作られた成分が含まれていることがあるので注意しましょう。精油を買うときは専門店で購入するほか、成分表示を確認するのもおすすめです。
精油を使ううえでの注意点
アロマテラピーを正しく取り入れるために以下の点に注意しましょう。
正しい使い方をマスターする
精油の原液は刺激が強いため、薄めて使います。また、種類によっては光毒性(※)があり、日中の使用に注意が必要なものもあります。ほかに、飲用しないなど正しい使い方を理解したうえで楽しみましょう。
※光毒性とは、紫外線などの光と反応することで皮膚に炎症などを引き起こすことです
持病がある人、薬を服用中の人は医療機関で相談する
精油は、種類によって持病のある人は禁忌のものがあります。病気があり治療中の人、薬を服用している人は、使用する前に必ずかかりつけ医に相談しましょう。
パッチテストをする
精油によっては皮膚刺激やアレルギー反応を起こすことがあります。アロマトリートメントやアロマバスなど、精油を肌につけて使うときはパッチテストをしましょう。
正しく保管する
精油は直射日光の当たらない冷暗所で、キャップを締めた状態でボトルを立てて保管し、使用期限を守って使いましょう。
香りの感じ方は人それぞれ
香りをどのように感じるかは個人差があります。好みに合わない香りは効果を得られないばかりか、不快に感じてしまうことも。自分が心地よいと感じる香りを選びましょう。
更年期症状がつらいときは婦人科を受診する
更年期症状の緩和を目的にアロマテラピーを取り入れてもつらい症状が続く場合は、婦人科で相談しましょう。
更年期症状の中でも日常生活に支障をきたすものを更年期障害といいます。更年期障害の治療にはホルモン補充療法や漢方療法が有効です。また、更年期障害と似ているほかの病気が隠れている場合もあり、がまんは禁物です。
(まとめ)
アロマテラピーはゆらぎがちな更年期の心身を整えるのに役立つ自然療法です。自分に合う香りを適切に使用して健康に生かしましょう。
構成/大人のおしゃれ手帖編集部 画像協力/PIXTA
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