まるでハリーポッターの世界! 自然派薬局や修道院で植物の力に出合う【50代からの「整う」ヨーロッパ便り】
見どころしかない
薬草薬局「エルボリステリア」
私はヨーロッパの古い街を訪れると、必ず探すお店があります。それは薬局です!
「なぜ薬局?」と思うかもしれません。皆さんが想像するような日本の調剤薬局やドラッグストアとは全く異なる雰囲気を持つので、一度「薬局」の概念を取り払って読み進めてもらえたらと思います。
ヨーロッパの薬局では、西洋医学のほか、自然療法のハーブ、ホメオパシーやジェモセラピーのレメディ、サプリメントなどと幅広い選択肢がそろっています。古くからの文化と現代の自然療法が共存しているのが魅力です。なかでもハーブを中心に扱う薬局は「エルボリステリア」と呼ばれます。自然食品店のような店構えや、お土産店のような店舗など、コンセプトはさまざまですが、共通するのは「自然と調和した暮らしを提案している」こと。
今回訪れた薬局の中には、ハリーポッターの映画に出てきそうな道具が並ぶところもあれば、薬局が始まった頃のインテリアをそのまま残すステキなお店もありました。壁画のあるお店も多く、その絵は店の創立者だったり、当時の薬となっていた植物だったりと、薬局の歴史やその時の文化背景を垣間見ることができます。
品揃えも店舗ごとに異なり、どんな哲学や思想を持って運営している薬局かを知るのも楽しみのひとつ。
薬局で働くスタッフはみな薬剤師。なかには、薬学部を出て、さらに自然療法の勉強をしたという人も多数。とりわけ、ホメオパシーは人気で、「勉強するのに時間はかかるけど、効果も高いし、求める人も多いから、自分にもお客様にも役に立つ」という話を何度も聞きました。
同行した友人が「膝の痛みがあって……」と相談すると、好みや希望を丁寧にヒヤリングしながら、さまざまな商品をおすすめしてくれました。
【旅の豆知識】
自然療法で扱う「薬」のことをレメディ(Remedy)と呼びます。語源は、Re=元に戻す、medi=中庸・中心。「調和を取り戻すもの」という意味があります。レメディを扱う薬局では、たいていカウンターの後ろの棚にハーブが入った缶が並んでいて、風邪や腹痛などの症状に合わせてハーブをブレンドしてくれます。
この記事を書いた人
自然療法ジャーナリスト/セラピスト藤田 円
英国で自然療法に出合い、英国ホメオパス資格を取得。沖縄で育つ「リバイタライズヘナ」の魅力に惹かれ、商品プロデュースも行う。雑誌記事や書籍の執筆、著書に『ホメオパシーのくすり箱』がある。セミナーなどを通じて植物の力と自然と調和する暮らしの楽しさを伝えている。
Instagram:@madokacirculus
Website:https://note.com/madoka_circulus
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