まるでハリーポッターの世界! 自然派薬局や修道院で植物の力に出合う【50代からの「整う」ヨーロッパ便り】
宇宙と私たちを繋ぐ錬金術?
今回の旅では、スパジリック・レメディを作っている工房も訪ねました。
そこはアルプスの山奥。あちこちで美味しい水がこんこんと湧き、車もほとんど通らない、環境汚染とは無縁の地。澄んだ空気の美しい風景の中に畑と工房があります。
「錬金術」と聞くと、ハリー・ポッターに出てくるような魔法使いを思い浮かべる人もいるでしょう。実際は、発明家や化学者に近い存在だったのだと私は思っています。かつては“不老不死の薬”や“金”を作ることを目的にしていたと言われますが、本来は「どうすれば本当に効く薬が作れるのか」=「長生き」 を探究する実験をしていたのではないでしょうか?
こちらで行われているのは、スパジリック製法という錬金術。宇宙と大地のエネルギーを取り込みながら育てた植物を、その力を余すことなく抽出。地球や宇宙のリズムに合わせて製品を生み出しています。
と、この説明だけではいまいちわかりにくいかもしれませんが、スパジリックとは「抽出して集める」という意味。植物の成分を抽出し、浄化し、再融合させることで、体・魂・精神という三位一体の調和を人体にももたらします。
その力は目には見えませんが、香りや色、肌で触れるだけで「なんだかすごい!」と直感できるほど。植物が持つ力を火や水や空気など自然界にある力で引き出す、一見原始的とも思えるやり方ですが、自然の摂理に沿ったホリスティックな手法です。
「病を治すとは、不快な症状を消すことではなく、心と体、そして外の世界まで含めた“全体の調和”を取り戻すこと」だということ。私たちが心地よく生きるために欠かせないのは、自然と共にあることを忘れないことです。
もし都会暮らしで自然から離れ、調子を崩していると感じたら、自然の力で作られたレメディが、調和を取り戻す助けになるかもしれません。そのことを知るだけでも、心が少しワクワクします。
身近なところから、できることを少しずつ。
食べるもの、飲むもの、肌に触れるもの、それらは私たちの体を整えることもあれば、壊すこともあります。一度に全部は変えられなくても、手元になくなったものから、自分に優しいものを選んでみる。そんな小さな選択が、地球の健康を守り、次世代に美しい環境や昔からの知恵を残すことにつながっていきます。
ヨーロッパでは、こうした環境が日本よりもずっと身近にありました。私も日本で、そんな未来が訪れるよう少しずつ行動を広げていきたいと思っています。
忙しい日常の中で、植物の力や調和の知恵に触れる時間は、心をそっとゆるめてくれる。「なぜ薬局がこんなに心に響くのか?」その答えが、少し見えてきた気がします。
この記事を書いた人
自然療法ジャーナリスト/セラピスト藤田 円
英国で自然療法に出合い、英国ホメオパス資格を取得。沖縄で育つ「リバイタライズヘナ」の魅力に惹かれ、商品プロデュースも行う。雑誌記事や書籍の執筆、著書に『ホメオパシーのくすり箱』がある。セミナーなどを通じて植物の力と自然と調和する暮らしの楽しさを伝えている。
Instagram:@madokacirculus
Website:https://note.com/madoka_circulus
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