心に残る名作揃い! ヴェネチア国際映画祭「金獅子賞」受賞作3選
ソフィア・コッポラ監督が描く、ちょっと変わった父と娘の物語
『SOMEWHERE』
『SOMEWHERE』
©2010-Somewhere LLC
2010年の第67回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いたのは、ソフィア・コッポラ監督の長編映画4作目となる『SOMEWHERE』。審査員長を務めたクエンティン・タランティーノ監督がソフィアの元恋人だったことから、私情を優先したのではないか、という批判が出ましたが、タランティーノが「審査員の満場一致で選ばれた」と反論する、という一幕もありました。
実際のところ、『ヴァージン・スーサイズ』『ロスト・イン・トランスレーション』『マリー・アントワネット』といった過去3作品で示した独自のおしゃれな雰囲気が多くの映画ファンを魅了し、ノリにのっていた時期のソフィア・コッポラ監督作品なので、本作の受賞に不思議はありません。
舞台は、ハリウッドの伝説のホテル「シャトー・モーマント」。ハリウッドスターのジョニーは、ホテルで退廃的な暮らしを送っていますが、急遽、離れて暮らす11歳の娘を預かることに。不慣れながらも娘の面倒を見て、一緒に過ごすうちに、本当に大切なものに気づいていきます。
主演は『バック・ビート』でアイドル的人気を誇ったスティーヴン・ドーフで、空っぽな心を抱えたスターのジョニーはハマり役。娘クレオを演じたのは、子役時代のエル・ファニングです。
フランシス・フォード・コッポラ監督を父に持つソフィアは、生まれながらのセレブリティとして、自分が知っている世界を堂々と描く潔さが魅力。本作もそのひとつですが、華やかなだけでない空虚さがリアル。また、偉大な監督を父に持つ娘としての寂しさも反映させたファンタジーなのではないかとも思えます。
『SOMEWHERE』
2010年製作
Blu-ray ¥5,170/DVD ¥4,180
発売元:東北新社
販売元:TCエンタテインメント
©2010-Somewhere LLC
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構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。
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