【プロが解説】スマート家電は本当に安全?プライバシーを守る簡単な対策6選
インターフォンで来客を確認したり、掃除機で家事を時短したり、外出先から炊飯器やエアコンを操作したりと、暮らしをぐっと便利にしてくれるスマート家電。「家の中で使うものだから安心だろう」と思いがちですが、実際はどの機器もインターネットにつながっているため、プライバシー侵害の“入口”になることも……。初期設定のまま放置すると、その入口を犯罪者に狙われることがあるのです。
そこで今回は、スマート家電を使う上で注意すべきことを解説します。
教えてくれたのは……
NordVPN 最高技術責任者(CTO)
マリユス・ブリエディスさん
デジタルセキュリティとプライバシーの分野で世界的に活躍する技術者。オンライン上のプライバシーとセキュリティ保護のサービス「NordVPN」の最高技術責任者(CTO)として、革新的なVPN技術の開発と普及に尽力。
スマート家電のための「簡単プライバシー対策」6選
多くのスマート家電はWi-Fi経由でアプリにつながり、メーカーのクラウドを通じて遠隔操作や録画、スケジュール設定などスムーズで快適な生活をサポートしてくれています。しかし、プライバシーへの対策は十分に取れているでしょうか?
「ちょっと不安かも……」と思った人は、下記の項目をチェックしてみてください。
1.初期パスワードを必ず変更し、二要素認証(2FA)をオンに
まずは購入直後にパスワードを変更しましょう。覚えやすいフレーズに記号を組み合わせるのがおすすめです。(例:TeaOnSunnyAfternoons!1958)さらに、アプリの「二要素認証(2FA」)を有効にすれば、万が一パスワードが漏れても第三者の侵入を防ぐことができます。
2.デバイスとアプリは常に最新に
アプリの「更新」「ファームウェア更新」を開いて実行。自動更新があればオンに。更新は不具合の修正だけでなく、セキュリティ強化にも有効です。月1回を目安に確認しましょう。
3.スマート家電と電子機器のWi-Fiをわける
ルーターにゲストネットワークがある場合、カメラ・インターフォン・掃除機・スマートプラグ・照明・エアコンなどは「ゲスト用Wi-Fi」に接続するとよいでしょう。スマホやパソコンはメインWi-Fiへ。こうして分けておけば、万一スマート家電が狙われても、写真やメールなど大事な情報にアクセスされにくくなります。
4.使わない機能はオフ、記録は定期的に整理
音声操作を使わないならマイクをミュート。外出先から見ないならリモートアクセスをオフに。アプリに残る音声や動画の履歴も定期的に削除しましょう。機能を減らすほど、守るべきポイントも少なくなります。
5.カメラの設置場所と共有設定を見直す
寝室などプライベート空間を映さないように配置を工夫しましょう。アプリの「共有ユーザー」も確認し、一時的に共有し、解除をしていない相手がいれば共有から削除しておくと安心です。
6.毎月5分の安全ルーティンを心がける
各アプリを開いて「更新」「共有ユーザー」「重要設定(パスワード・2FA・ゲストWi-Fi)」の3点を確認。使っていない機器はアプリから削除し、電源もオフに。
スマート家電には安全のための工夫が必要。使い方や設定によってはセキュリティが侵害される可能性を持っていますが、心配しすぎる必要はありません。多くのトラブルは、ほんの数分の設定で予防することができます。
この記事を書いた人
NordVPN 最高技術責任者(CTO)マリユス・ブリエディス
デジタルセキュリティとプライバシーの分野で世界的に活躍する技術者。現在はNordVPNの最高技術責任者(CTO)として、革新的なVPN技術の開発と普及に尽力。代表的なプロジェクトである「NordLynx」は、業界で最速かつ革新的なVPN技術として高い評価を得ている。過去にはウェブ開発やプログラミングの実務経験も豊富で、現在は複数の開発チームを率いながら、企業の成長を技術面から支えている。講演やメディア出演も多く、世界中でサイバーセキュリティの大切さを伝えている。
Website:https://nordvpn.com/ja/