自然が教えてくれた「空白」の豊かさ
本当の贅沢とは?【50代からの「整う」ヨーロッパ便り】
湖が運んでくれた、深い癒やしと統合感
今回私たちが訪れたのは、アルプスの南山麓に位置するイタリア北部ロンバルディア州の湖水地方。イタリアで3番目に大きく、古代ローマ時代から避暑地として親しまれてきた氷河湖のコモ湖へ向かいました。
透き通るほど美しい水面に周囲の山々が映り込み、まるで絵画のような風景にうっとり。夕食後は、徐々に移り変わる夕暮れの空の色と光を楽しみながら、湖畔の周りをぐるりと散歩。水の音や鳥の声に耳を澄ませ、静かなひとときを過ごしました。今日までの出来事を思い出し、噛みしめるように。
翌朝はまだ人影の少ない湖畔でヨガ。感覚がビンビンにとぎすませられる中、呼吸から始めて、少しずつ体の細かい部分を動かしていくと、滞った何かが循環し、統合していくような感覚。その先には、自分が呼吸として取り入れる、大地からいただくエネルギーと、自分から吐き出されたものが周りと溶け合っていく……そんな自然との調和をイメージすることができました。
氷のように冷たい湖水が教えてくれたこと
オーストリアでは、インスブルック郊外の湖へ。世界中の人が保養に来るコモ湖と比べると規模は小さいですが、地元の人たちの憩いの場といった印象で、家族連れも多く訪れていました。
この日はとても暑かったので、泳ぐ気満々で湖へ!
しかし、遠くに見える山には雪が積もり、湖水は氷のような冷たさ。全身を水に預ける勇気がなかなか出ませんでした。でも、勇気を出して水の中に入ってみると、その気持ちよさたるや……。なんといっても山の雪解け水がたまってできた湖なので、ミネラルが豊富です。自然の中で体を動かすことで、心身ともにリフレッシュできました。
天然の水の中で体を動かし、美しい風景の中で食べる手作りのサンドイッチは美味しさが倍増! 自然の中にいる開放感は、日頃の悩みや笑い話までさまざまな会話が弾み、とても充実した時間を過ごさせてくれると実感しました。
海辺で体感したアーシングと創造の魔法
イタリア滞在時には、トスカーナ地方のティレニア海に面したビーチにも立ち寄りました。砂浜を素足で歩いたり、足を海水につけるアーシングは簡単にできる自然療法のひとつ。体の中の余分なものがすっと流れていくのを感じます。
【豆知識】
アーシングとは、電化製品やスマホ、パソコンなどに囲まれて過ごしている中で体内に滞留した余分な電気を放電し、大地から必要な電子を受け取る健康法です。1日20分のアーシングで体調の変化を実感できるという説も。
波の音を聞きながら、海岸に落ちているもので曼荼羅を作ったのも素敵な思い出です。これは、森でも海岸でもできるので、ぜひ皆さんもやってみてくださいね。
ルールは簡単、言葉は発さずに拾った石や枝などを真ん中から外側に向けて置いていくだけ。誰が何を指示したわけでもないのに、似たような色や素材のものが程よく配置され、最終的にはきれいな模様が描けるのが不思議です。
完成したら「石ってこんなにいろんな色や形があるんだね!」「石だけしか見えなかった海岸に木の実も落ちているなんて気づかなかった!」といったように感想を共有し合うと◎。何より、チームでひとつのものを作り上げたという感覚は仲間意識を強くしたり、ポジティブな脳の動きとしての上書き保存になるのです。
この記事を書いた人
自然療法ジャーナリスト/セラピスト藤田 円
英国で自然療法に出合い、英国ホメオパス資格を取得。沖縄で育つ「リバイタライズヘナ」の魅力に惹かれ、商品プロデュースも行う。雑誌記事や書籍の執筆、著書に『ホメオパシーのくすり箱』がある。セミナーなどを通じて植物の力と自然と調和する暮らしの楽しさを伝えている。
Instagram:@madokacirculus
Website:https://note.com/madoka_circulus