【Netflix】ワケあり家族や夫婦の愛を描いた日本のドラマ3選
Netflixシリーズ『阿修羅のごとく』独占配信中
最近では、音楽青春ストーリー『グラスハート』が若者を中心に支持を集めるなど、Netflixの日本のドラマへの注目が高まっています。昨年も『地面師たち』や『極悪女王』といった大きな話題作がありました。そこで今回は、『大人のおしゃれ手帖』読者におすすめの、家族や夫婦、結婚を誓った恋人たちの複雑な愛情を描いた日本のNetflixシリーズを3作紹介します。
目次
宮沢りえ、尾野真千子、蒼井優、広瀬すずが四姉妹役の昭和家族ドラマ
『阿修羅のごとく』
Netflixシリーズ『阿修羅のごとく』独占配信中
向田邦子による昭和の家族劇『阿修羅のごとく』を、名匠・是枝裕和による監督・脚色で令和の世に蘇らせたのが、今年の1月に配信開始されたNetflixシリーズの同名作品です。
舞台は1979年の東京。幸せそうに見えた里見家の四姉妹、綱子、巻子、滝子、咲子ですが、突如、家族関係に不穏が生じます。滝子によると、彼女たちの父親にはよそに女性がいるとのこと。滝子は興信所に父を調べさせていて、愛人だけでなく子どもまでいることをつかんでいました。四姉妹は醜聞が母の耳に入らぬように注意しながら、事態を収拾しようとしますが……。
Netflixシリーズ『阿修羅のごとく』独占配信中
なんといっても四姉妹がそれぞれに個性的で、彼女たちが笑い合ったり、言い争ったり、助け合ったり、といった姉妹ならではの関係が愛ある視点で描かれているのが本作の魅力。1979年に放送されたNHKの土曜ドラマシリーズでは、長女を加藤治子、次女を八千草薫、三女をいしだあゆみ、四女を風吹ジュンが演じましたが、是枝版では、宮沢りえ、尾野真千子、蒼井優、広瀬すずが担当しています。
Netflixシリーズ『阿修羅のごとく』独占配信中
生け花の師匠である長女の綱子(宮沢)は料亭の主人(内野聖陽)と不倫関係にあり、専業主婦の次女の巻子(尾野)は夫(本木雅弘)の浮気を疑いながらも言い出せず、三女の滝子(蒼井)は図書館の司書を務めており、四女の咲子(広瀬)は無名のボクサーと同棲中。真面目な三女と自由奔放な四女は何かとぶつかってばかりというのも、姉妹にはよくある関係といえるでしょう。
Netflixシリーズ『阿修羅のごとく』独占配信中
夫の不貞を感じ取りながらも口には出さずに堪える妻の姿や登場人物たちの言動に考えさせられたり、家屋や生活用品などに昭和の姿が再現されていて懐かしい気持ちにもなれます。
家族といえどもそれぞれに情念や秘密があり、互いに放っておけない関係だからこそ、愛憎が渦巻いてしまう。そんな家族の形と絆が丁寧かつドラマティックに描かれています。
『阿修羅のごとく』
2025年製作
Netflixで独占配信中
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構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。