【大人の京都旅】誕生から100年 暮らしに寄り添う美「民藝」をめぐる旅 作家たちの愛した甘味も♡
「民藝誕生100年」展を観ていたら 祇園・鍵善良房のくずきりを食べたくなります

漆芸家・木工家である黒田辰秋(たつあき)さんも民藝運動を代表する美術家のひとり。左から、「朱漆三面鏡」(1931)、「朱漆透彫文円卓」(1928)。
〈左〉河井寬次郎、額:黒田辰秋 書「くづきり」1956年ごろ 鍵善良房蔵、〈右〉黒田辰秋「螺鈿菓子重箱」1938年 鍵善良房蔵
左から、書「くづきり」は、字は河井寬次郎さん、額は黒田辰秋さんの手によるもの。右の素晴らしい黒田さんの「螺鈿菓子重箱」とともに祇園の和菓子屋・鍵善良房の所蔵品です。
黒田辰秋「螺鈿くずきり用器/岡持ち」1932年 鍵善良房蔵
こちらも黒田さんによる「螺鈿くずきり容器」「岡持ち」を見たら、もうダメだ。鍵善のくずきり食べたい。
ちなみに、民藝運動のメンバーには甘党が多かったそうです。色々なお菓子屋さんの看板やパッケージなどに彼らの作品が使われているのは、頼まれる以前に常連さんだったから、ということも多いようです。お近くにも、あるかも?

矢も盾もたまらず食べたい! と祇園の鍵善良房本店へ。

真っ先に店内奥の喫茶室へ向かい、席に着くなり「くずきり、ください」。「蜜はどちらになさいますか?」そうです、黒蜜と白蜜から選べるのです。そして毎回悩むのです。コクのある黒蜜、さらりとした甘みの白蜜。どちらも美味です。キリッと氷で冷やされたちゅるちゅるのくずきりに、今回は黒蜜をたっぷり絡ませて無心でいただきました。

喫茶室からお菓子の販売スペースへ。店内を入って右手には黒田辰秋さんの「拭漆欅大飾棚(ふきうるしけやきおおかざりだな)」(1934)が。今でも現役で使われ、実用の美としてのときを重ねています。

向かい側にも同じく黒田さんによる「拭漆欅大飾棚」(1932)が。鍵善の十二代当主・今西善造さんが黒田さんの作品に惚れ込んで依頼し、1年をかけて製作されますが、その請求書を見てびっくり。家一軒分ほどの金額だったそうです。しかし、出入りの大工さんが価格相当の素晴らしい出来栄えだと請け合ったそう。

老舗の看板商品のひとつ、季節のモチーフをかたどった干菓子をぎっしりと詰め合わせた「園の賑い」。黒田さんの作品がもたらす、ここにしかない空気のなかに並ぶお菓子は、特別なオーラをまとっています。
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