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大人のおしゃれ手帖 12月号

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大人のおしゃれ手帖
2025年12月号

2025年11月7日(金)発売
特別価格:1640円(税込)
表紙の人:吉瀬美智子さん

2025年12月号

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【万博ロスが殺到!!】超人気の大阪市立美術館・特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」レポート〈チケットの追加販売が決定!〉

ふなつあさこ

あの熱気が蘇る! 特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」には日本初公開の名品も

大阪市立美術館・特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」01

《ファルネーゼのアトラス》西暦2世紀・ナポリ国立考古学博物館

内心、「特別展としては展示品の数が多いとはいえないな」と思っていた私。どんな展示になるのかと思って訪れてみて、びっくり。大阪市立美術館の展示室だということを忘れてしまうぐらい、イタリア館の雰囲気がそのままに再現されていたんです!

イタリア館を象徴する作品として人気を呼んだ、「ファルネーゼのアトラス」の背景には、イタリア館で流れていた映像や音楽がそのまま持ち込まれていて、あのワクワク感がよみがえりました。

ただ、やはりそこは、美術館。ギリシャ神話の神・アトラスがゼウスに敗れたために天空を背負う役割を負わされたことや、アトラスが背負っている天球儀に描かれている星座などの位置が正確であることなどについての丁寧な解説パネルも展示されていました。

大阪市立美術館・特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」02

ピエトロ・ヴァンヌッチ(通称ペルジーノ)(1450-1523) 《正義の旗―聖フランチェスコ、シエナの聖ベルナルディーノ、祈る正義兄弟会の会員たちのいる聖母子と天使》1496年・ウンブリア国立美術館(ペルージャ) © Galleria Nazionale dell‘Umbria

解説を手がけたのは、イタリア美術史がご専門の神戸大学の宮下規久朗教授。非常に短い準備期間のなかで、展示作品の解説を書き上げたのだそうです。「イタリア館での展示も素晴らしかったですが、美術館らしい展示でご覧いただくとまた違った雰囲気で作品を楽しんでいただけるのではないかと思います」と宮下教授。

大阪市立美術館・特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」03

実は2026年には、日本とイタリアが国交160周年を迎えます。今回の展示は、そのこともあって多くの人たちが異例のスピードで準備をし、開催にこぎつけたのだそうですが、日本とイタリアの出会いを象徴する人物が、天正遣欧少年使節(てんしょうけんおうしょうねんしせつ)のメンバーである、伊東マンショ。安土桃山時代にイタリア、ローマを訪れた人です。

イタリア館では、ドメニコ・ロブスティ(通称:ティントレット)による伊東マンショの肖像画が展示されていましたが、大阪市立美術館では、その肖像画に描かれていた衣服の再現作品が展示されていました。

大阪市立美術館・特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」04

レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)  『アトランティコ手稿』左:第1112紙葉 表 《巻き上げ機と油圧ポンプ》1478年頃、右:第156紙葉 表 《水を汲み上げ、ネジを切る装置》1480-1482頃・アンブロジアーナ図書館(ミラノ) © Veneranda Biblioteca Ambrosiana/Metis e Mida Informatica /Mondadori Portfolio.

イタリアが世界に誇る天才、レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)。そのアイデアを書き留めた「アトランティコ手稿」は1119枚以上が現存し、保存上の理由からイタリア館では定期的な入れ替えを行いながら展示されていました。大阪市立美術館に展示されている2点は、この特別展で日本初公開となる作品。

大阪市立美術館・特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」05

「アトランティコ手稿」の拡大パネルの前で、笑顔のアンブロジアーナ絵画館館長 アルベルト・ロッカさん(写真左)と2025 年大阪・関西万博イタリア総代表 マリオ・ヴァッターニさん(写真右)に出会いました。

この特別展で展示の2点は、水運で栄えた大阪は「水都」とも称されることから、水に関わる2点が選ばれたのだそう。なんて粋なんでしょう!

大阪市立美術館・特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」特設ショップ

特別展特設ショップには、イタリアゆかりの雑貨やフードなどが並んでいました(いずれも数量限定のため、品切れになっている場合があります)。

大阪市立美術館・特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」06

特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」開催にあたっての開会式では、大阪市立美術館の内藤栄館長(写真中央)が「長らく美術館・博物館に関わる仕事をしてきて、これほど準備期間が短かったことはなく、これほど大きな反響をいただいたこともなかったと思う」と語られていました。

その熱意が届き、販売開始からわずか2日で全日程のオンラインチケットが完売する(それも異例のことだそうです)ことになったのかもしれません。

大阪市立美術館・特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」07

最後に、アトラスの顔はめパネルがあったので、せっかくなのではめてきました。準備期間が限られたなかで、こんな楽しいものを作ってくれるなんて! プラチナチケットを手に入れた方は、ぜひ顔をはめてきてください。

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この記事を書いた人

編集者 ふなつあさこ

編集者ふなつあさこ

生まれも育ちも東京ながら、幼少の頃より関西(とくに奈良)に憧れ、奈良女子大学に進学。卒業後、宝島社にて編集職に就き『LOVE! 京都』はじめ関西ブランドのムックなどを手がける。2022年、結婚を機に奈良へ“Nターン”。現在はフリーランスの編集者として奈良と東京を行き来しながら働きつつ、ほんのり梵妻業もこなす日々。

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Instagram:@asa_ship

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