古いのに新しい! 名作の魅力を再発見する ~海外文学の映画化3選 ②~
『レ・ミゼラブル』© 2012 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED
今週も前回から引き続き、「海外名作文学の映画化」をテーマに、有名な古典的小説の映画化からNetflix映画の新作まで多彩な作品を紹介します。今回取り上げる3本の原作は約200年~160年前に出版されたものですが、現代の解釈や映像技術、華やかな俳優たちの演技により、新たなエンターテイメント作品として感動的で楽しめる作品に仕上がっています。
目次
歌の力が胸に迫る! ユゴー原作のミュージカルを映画化
『レ・ミゼラブル』

フランスの文豪、ヴィクトル・ユゴーが1862年に発表した大長編小説『レ・ミゼラブル』を原作とするロングラン・ミュージカルを映画化。ミュージカルも映画も同じプロデューサーが手掛けています。

19世紀のフランスの動乱期を舞台に、不遇からパンを盗んだ罪で19年間も服役したジャン・バルジャンが司教の真心に触れたことで改心し、善良に生き抜こうとする姿を描いています。市長になったバルジャンは薄幸な女性ファンテーヌと出会い、彼女の愛娘コゼットを託され、愛情を注いで育てます。一方、冷酷な警部ジャベールは、バルジャンを執拗に追い続けていて……。

主演のヒュー・ジャックマンをはじめ、俳優たちの歌声が圧巻! やせ細り、髪をばっさり切って、ファンテーヌ役に挑んだアン・ハサウェイは『夢やぶれて』という曲を熱唱。生活苦のために髪も歯も体も売ったファンテーヌの無念さ、怒り、絶望を歌い上げていて、その魂の叫びのような歌唱から目が離せなくなります。バルジャンに愛情を注がれ、美しく成長したコゼット役は、アマンダ・サイフリッドが好演。

俳優たちの胸に迫るような歌声は、実際に歌いながら演じるという手法によるもの。通常のミュージカル映画では歌と演技を別々に収録していますが、本作は同時に行うことで、俳優たちはより自然に、より感情をこめて、歌うことができたといいます。
なにしろ原作が大長編なので、細かな描写はだいぶ削られていますが、一本の映画として、とても見ごたえがある作品です。
『レ・ミゼラブル』
2012年製作
4K UHD+ブルーレイ ¥6,589/ブルーレイ ¥2,075/DVD ¥1,572
発売・販売元: 株式会社ハピネット・メディアマーケティング
© 2012 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED
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構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。





