【本上まなみさん】インタビュー「書くことが、今のわたしをつくってくれた」
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エッセイストとしても活躍する俳優の本上まなみさん。
四半世紀以上にわたって、日常の小さな発見を温かな視点で捉えてきました。
50歳を迎えた今の心境と、これからの暮らしについて伺いました。
〝書くこと〟が今の私をつくってくれた
初めてエッセイを書いたのは、芸能の仕事を始めたばかりの22歳の頃。
「どこか萎縮していて、人と打ち解けるにも時間がかかっていた」という本上さんに、ある編集者が「本が好きなら、自分でも書いてみたら?」と勧めたのがきっかけでした。
「そのときはSNSのような発信の場もなく、人に読んでもらう文章を書くのは初めて。最初は手探りでしたが、書くことは自分に合っていました。当時はバラエティ番組に出てもうまく話せなくて、後から『ああ言えばよかったな…』と反省することも多くて。
でも文章なら、締め切りはあっても、時間をかけて試行錯誤できますから」
エッセイを書き始めてからは、「目にしたものを、どうしたら読む人に伝えられるか」を考えながら日々暮らすように。
「子どもの頃から観察するのが好きでしたが、書くようになって、ものの見方が一層深くなって。身の回りにあるささやかなものが、実はかけがえのない存在だと気づかされました」
エッセイ『みんな大きくなったよ』でも、家族や自然、街の風景に、本上さんらしい温かなまなざしが向けられています。
「繰り返し書いているテーマもありますが、それだけ自分にとって大切なことなんだとあらためて実感しました。今年で50歳になりましたが、子どもの頃と同じように自然の中で遊ぶことが好きで、ふるさとの庄内や京都が好き。もっとカッコいい大人になれるのかな、と想像していたけど、実際はあまり変わりませんね(笑)。それはどうなんだろうと思いつつ、好きなものは好きでいいと思っています」
50 代に入ってからも、「年齢を重ねることへのネガティブなメッセージはない」と本上さん。
「周りの先輩方はみんな楽しそうだし、頑張らなきゃいけない局面でも自分の足ですっくと立っている。私もそういう胆力を身につけたいです」
最近は子どもたちが巣立った後を見据えて、ひとりの時間を楽しむための工夫も。
「もっと時間の余裕ができたら、一人旅をしてみたい。手始めに、仕事で遠方へ行ったときに1日だけ延泊して、自分の時間を作るようにしました。ひとりで居酒屋のカウンターでごはんを食べたりするのが、思いのほか楽しくて。自分と向き合う大事時間にもなっています」

ピアスは自然をモチーフにした「プフッツェ」のもの。
『みんな大きくなったよ』
本上まなみ
¥2,090(ミシマ社)
母の実家があった山形・庄内のことに始まり、現在暮らす京都の街、家族、東京の思い出について綴ったエッセイ。
表紙の写真は本上さんそっくりのお母さまと幼き本上さん。「先日も庄内へ帰ったばかり。本当に居心地が良く、私の大切な場所だと実感しました」
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