【更年期の養生 Vol.4】「腟の乾燥」「性交痛」をやわらげる、デリケートゾーンと性生活の養生法
性交痛の原因は「腎陰(じんいん)」と「腎精(じんせい)」の不足

また、更年期になると性交痛に悩むケースも増えてきます。あるニュースサイトの調査では、50〜60代の女性のうち約2人に1人が性交痛を経験しているとのこと。性交痛が原因で性生活を避けてしまう人も少なくないようです。
東洋医学では、性交痛もまた腎陰の不足が原因のひとつだと考えられています。腟の潤いが不足することで摩擦に弱くなり、痛みが生じやすくなるのです。
さらに腎には、腎陰や腎陽が生まれるもととなる「腎精(じんせい)」と呼ばれるものが蓄えられており、この腎精の不足も性交痛を招く要因となっています。腎精とは一般的に「精力」と呼ばれるものに近く(イコールではありません)、腎の力の土台となるもので、加齢によって減少する傾向があります。そしてこの腎精が減少すると、腟の粘膜が薄くなる、弾力や伸びが低下する、腟口が細くなる・硬くなるなどの萎縮感が生じる傾向があり、個人差があるものの、性交痛を招きやすくなります。
つまり、更年期に多い腟の乾燥や性交痛をやわらげるには、腎陰や腎精の減少を抑え、補うことが養生になると言えます。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
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