官能的、シリアス、コメディまで、道ならぬ恋がもたらす悲喜劇3選
Netflix映画『チャタレイ夫人の恋人』独占配信中
障害があるからこそ燃え上がる恋や背徳感など、道ならぬ恋の機微を描いた映画は山ほどあります。今回は、そんな禁断の関係を描いた映画の中から、名作文学の官能系、女性同士の愛を描いたシリアス系、妻の不倫を機に巻き起こる一家のコメディ、という趣の異なる3つの作品を紹介。今の気分に合う映画を楽しんでみてくださいね。
目次
官能に目覚めた貴族の妻は……。スキャンダラスな名作を再び映画化
『チャタレイ夫人の恋人』

イギリスの作家D・H・ローレンスが1928年に発表した小説『チャタレイ夫人の恋人』は、支配階級と労働者階級の対立問題を背景に身分違いの男女の性愛を描いたことで、イギリスで猥褻文書扱いされたり、日本を含む世界各地で発禁処分を受けるなどした、スキャンダラスな名作小説。これまで何回も映像化されていますが、近年再びNetflixが映画化しました。
クリフォード・チャタレイ准男爵と結婚して貴族の妻となったコニーですが、夫が第一次世界大戦から帰還した後、状況が一変。クリフォードは負傷によって歩けなくなっており、その世話を一身に背負ったコニーは心身ともに疲れ果ててしまいます。広大な敷地で夫の介護をするだけ、男尊女卑の考えがはびこる支配階級のなかでは居場所もなく、コニーは孤立を深めていきます。

そんななか、クリフォードが衝撃的な提案をします。性的不能に陥っている自分の代わりに、差し障りのない男と関係を持って跡継ぎを産んでほしいと言うのです。
ショックを受けたコニーは、やがて領地で森番として雇っているオリバー・メラーズと出会います。傷ついている心にそっと寄り添ってくれるオリバー。ここまで状況が揃ったら、不倫するなという方が無理でしょう。

二人は小屋でも森でも互いを求め合います。性愛も赤裸々に描いており、Netflixのレイティングでは「18+」の指定です。ただ、コニーを演じるエマ・コリンは少女のように愛らしく、オリバー役のジャック・オコンネルも紳士的なので、裸のシーンが多いわりに、いやらしさがありません。

そんな二人の秘め事は、恥ずべきこととして世間に知れ渡ってしまいます。官能と愛に目覚めたコニーはこの後、どのような道を歩むのでしょうか。昔の物語ではあるものの、女性が抱える閉塞感や世間体など現代に通じる部分も多い作品です。
『チャタレイ夫人の恋人』
2022年製作
Netflixで独占配信中
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構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。
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