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2025年12月5日(金)発売
特別価格:1640円(税込) 
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障がいのあるアマチュア俳優たちが出演、心の垣根を飛び越えるハッピーな映画を撮ったアルテュス監督インタビュー

中山恵子

豊かな自然のなか、ドタバタのキャンプが始まる。『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』© 2024 David Koskas © 2024 CINE NOMINE - M6 FILMS - AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINEMA – SAME PLAYER - KABO FILMS - ECHO STUDIO - BNP PARIBAS PICTURES - IMPACT FILM

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『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』
© 2024 David Koskas © 2024 CINE NOMINE - M6 FILMS - AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINEMA – SAME PLAYER - KABO FILMS - ECHO STUDIO - BNP PARIBAS PICTURES - IMPACT FILM


 宝石店に泥棒に入ったパウロとその父親は、逃走中に、障がいのある若者たちがサマーキャンプに出発する場面に遭遇。どさくさに紛れて、障がい者とその介助者になりすまし、一緒にバスに乗って出発! さまざまな個性を持つ彼らとの旅はトラブル続きではあるものの、にぎやかで、笑顔にあふれていて、いつしか二人の心もほぐれていくのでした。しかし、ゆかいな逃避行も長くは続かず……。泥棒父子の運命はいかに? そして、彼らがこの旅で見つけた本物の“宝石”とは?

 障がいのあるアマチュア俳優11名を起用した映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』は、フランスで2024年の年間興行収入ランキングNo.1を獲得したハートウォーミングなコメディ作品。日本でも12月26日(金)より公開されます。

障がいのあるアマチュア俳優11人が出演。『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』© 2024 CINE NOMINE - M6 FILMS - AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINEMA – SAME PLAYER - KABO FILMS - ECHO STUDIO - BNP PARIBAS PICTURES - IMPACT FILM© 2024 CINE NOMINE - M6 FILMS - AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINEMA – SAME PLAYER - KABO FILMS - ECHO STUDIO - BNP PARIBAS PICTURES - IMPACT FILM

 監督を務めたのは、フランスの大人気コメディアンであるアルテュス。彼は日頃、舞台やSNSで知的障がいのある“大きなお調子者”シルヴァンというキャラクターを演じ、成功を収めています。そんな彼が初監督作として自ら脚本を書いたのが本作で、当初は自身が出演する予定はなかったそうですが、周囲の勧めもあり、「シルヴァン」になりすます泥棒のパウロ役を演じています。

 大笑いして感動してさまざまことを考えさせられる、そんな唯一無二の映画を撮ったアルテュス監督に、オンラインでインタビューを行いました。

男性のおしりがダメなのは、障がいのある俳優だから?

シルヴァンを演じるアルテュス監督。『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』© 2024 CINE NOMINE - M6 FILMS - AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINEMA – SAME PLAYER - KABO FILMS - ECHO STUDIO - BNP PARIBAS PICTURES - IMPACT FILMシルヴァン役を演じるアルテュス監督(中央)
© 2024 CINE NOMINE - M6 FILMS - AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINEMA – SAME PLAYER - KABO FILMS - ECHO STUDIO - BNP PARIBAS PICTURES - IMPACT FILM

――まさに笑って泣ける素敵な映画でした。正直なところ、映画の冒頭では、笑ってよいものかどうか迷いました。すぐ物に頭をぶつけてしまう女の子(マリ)の顔にボールが当たるシーンなど、明らかにコメディとして撮られていますが、演じている俳優が実際に障がいのある方だと知っているため、「笑っていいのかな。笑うと失礼かな」と戸惑ったのです。でも、このシーンを障がいのない俳優が演じていたらどうだろう、と考えたとき、絶対に笑うと思いました。そこからは、ふだんコメディ映画を観るとき同様に笑いました。現代は「インクルーシブ社会」の重要性がいわれていて、障がいの有無にかかわらず互いを認めて共生することが大切だという考えが広まりつつありますが、無意識あるいは配慮から区別してしまうことがあるように思います。この映画は、観る側がそうした心の垣根を越える体験をもたらしてくれると思いました。

アルテュス:今のお話を聞けて、本当に嬉しいです。まさに自分がしたかったことだからです。劇場公開前に試写をしたとき、フランスで有名な監督2人から、こんな指摘がありました。「シャワーを浴びているシーンで、男性のおしりが見えているショットはよくないのではないか」と。なぜいけないのか話を聞いてみると、男性のおしりがダメなのではなく、障がいのある俳優のおしりだから、という理由でした。健常者の俳優のおしりであれば問題ないショットなのに、障がい者だから問題になる、というのは何かがおかしいのではないかと私は思ったのです。

泥棒親子と障がいをもつ若者たちのサマーキャンプを描くコメディ。『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』© 2024 CINE NOMINE - M6 FILMS - AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINEMA – SAME PLAYER - KABO FILMS - ECHO STUDIO - BNP PARIBAS PICTURES - IMPACT FILM© 2024 CINE NOMINE - M6 FILMS - AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINEMA – SAME PLAYER - KABO FILMS - ECHO STUDIO - BNP PARIBAS PICTURES - IMPACT FILM

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ライター 中山恵子

ライター中山恵子

ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。

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