1年のしめくくりには、自分自身へ花を贈る【連載vol.5 ー今日花(こんにちばな)通信ー】
花の魅力を届ける人・吉原友美さんが伝えたい“花”は、植物を通じて、今の自分の心と向き合う「今日花(こんにちばな)」というあり方。
花を選び、飾ることは、自分と向き合い、今の気持ちを感じ取る行為。季節を通して今日の自分にまっすぐに向き合う手段としての花が「今日花(こんにちばな)」なのだそう。
そんな吉原さんの日常と花のある暮らしを、吉原さんの言葉でお届けします。


12月も、もう後半。
年の瀬を目前に、『大人のおしゃれ手帖』の読者のみなさまも気忙しい日々をすごされているのではないでしょうか。
私も、11月から12月なかばにかけては、クリスマスリースやお正月飾りのワークショップの機会やギフトのご注文が重なり、ありがたいことに目が回る慌しさ。過ぎていく毎日に追いつくのに必死で、「今年もいつのまにかあと数日になってる!」と、驚愕するのが年末の恒例となっています。
12月は、ワークショップを通じて人と会う機会に恵まれる月でもあります。
自然と会話の中心になるのは、「どんな1年だったか」という話題。PAUSEのレッスンに参加してくださる方は、ご家庭やお仕事に必要とされる立場の方ばかりで、ご自分のことが二の次になってしまう方が多いよう。
クリスマスリースやお正月飾りを一緒に作りながら、こんなお話をよくします。「自分の気持ちに素直になって、自分のためだけに花を飾ってみませんか」。
私自身は、仕事おさめの日に、自分のために花を用意します。新しい年を迎えるための華やかな植物も素敵ですが、12月をやっとの思いで走り抜けた私がそのとき欲している“今日花“は、心が静まるような、やさしい色合いの花。「休んでいいよ」といってくれる、自分の屋号である「PAUSE」に込めた意味をあらためて思い出させてくれるような、新たに動き出すための、小さな休符のようなそっと寄り添ってくれる花なのです。
この記事を監修した人
「PAUSE」主催吉原友美
「日々の暮らしの中に、ひと休みできる時間を」
との思いから、小休止を意味する「PAUSE(パウズ)」を屋号に、花の配送、出張生花店、空間装花、ワークショップを開催。神奈川県三浦郡葉山町にアトリエをかまえ、日常と心に寄り添う花を提案する。
撮影/安彦幸枝
Instagram:@pause_story_




