【大人の没入型文化体験】
「かげろひ 虚空 kokuu」
冬の鎌倉・報国寺で「竹取物語」と「川端康成」の幽玄な世界にタイムトリップ
川端康成の文机がすぐそこに 鎌倉文士の息遣いにふれる
ほんのりと酔いがまわり、すっかりお腹が満たされたころ、着物姿の女性がやってきました。川端康成が鎌倉に引っ越してきたころ、報国寺のすぐ近くに居を構えていたことを、まるで昨日のことのように語り始めます。川端が愛用していたという文机が用意されていて、いっそう興味が深まってきました。そして、いよいよ「かげろひ 虚空」体験のクライマックスへ。
能声楽の生演奏会で異界へタイムトリップ
本堂に移動して畳の上に座ると、空気がふるえるようなチェロの音色とお能の謡が始まりました。その迫力たるや、心にずしんと響いたかと思えば、異界を彷徨うような不思議な浮遊感に包まれました。遡ること691年前にこの地に開かれた名刹報国寺。その本堂ゆえに、目には見えないものたちと共鳴するようにも感じます。14名のゲストだけのために奏でられる音楽、能声楽の贅沢さといったら、生涯忘れられぬ体験になることでしょう。
「かげろひ 虚空」で花とクリエイティブディレクターを担当したのは田中孝幸さん。ストーリーテラーで案内人を務めたのは俳優の大森亜瑠紗さん。能の「謡」を現代音楽に融合させた能声楽家の青木涼子さん、チェロ奏者の上村文乃さん、フルート奏者の上野由恵さんが、時空を超えた演奏会のキャストでした。
「かげろひ」とは? 立ちあらわれては消えゆく、儚き日本の美意識
夜が更けるとライトアップされた庭は、靄(もや)が立ち籠る。
没入型文化体験「かげろひ」は、2025年1月に企画が立ち上がり、7月15日に京都の両足院で試みた0回「乞雨 amagoi」を経て、第1回「虚空 kokuu」が鎌倉・報国寺で無事に幕を開けました。そもそも、この「かげろひ」とは、日本の建築界の巨匠、故磯崎新氏が「日本の文化と美意識に深く根づく『立ちあらわれても、消えてゆくもの』の美しさと儚さをとらえた言葉。それをテーマに、日本のそこかしこにある文化を掘り起こして、その「場」と「人」と「食」と「演出」を融合させて、少数のゲストとともに「一期一会」の体験を提供します。ゲストが物語に没入できる演出は、「かげろひ」ならでは。五感をフル稼働して、その地の文化、食、自然、アートピースなどを感じとれるとあって、興味を抱く人はたくさんいるでしょう。気になる料金は、鎌倉報国寺で実施された「虚空」は、1人14万4,000円。生涯記憶に残る唯一無二の体験と考えれば、妥当なのかもしれません。
本企画を担当するJTBイノベーション戦略推進チームの日高彬人さんが「40~50代のゲストが多く、みなさまカップルやご夫妻でご参加くださいました。外国人のゲストがいらっしゃるときは、ノンバーバルでも理解いただけるようにして、日本人ゲストには文化的な背景をきちんと伝えていきたいと考えています」と語ります。
報国寺からの帰り道、あの鈴(りん)の音がかすかに耳に残っていました。さて、第2回目はどこで、どんな文化と物語を掘り起こすのか?「次の開催地は準備中です。これからは全国展開していけたらと考えています」(日高さん)
日本のどこかであなたの心をゆさぶり、ふるわせる「かげろひ」に出逢えるかもしれません。
写真/JTB提供 取材・編集/田村幸子
*画像および文章の転載はご遠慮ください
この記事を書いた人
ファッション、美容、更年期対策など、50代女性の暮らしを豊かにする記事を毎日更新中!
※記事の画像・文章の無断転載はご遠慮ください
Instagram:@osharetecho
Website:https://osharetecho.com/
お問い合わせ:osharetechoofficial@takarajimasha.co.jp
関連記事
-
-
-
-
PR
-
PR
-
PR




