アラン・ドロン、アヌーク・エーメ、2024年に死去したフランスの人気俳優主演作3選
アラン・ドロン主演『危険がいっぱい』©1963 GAUMONT
“世紀の二枚目”と言われて日本でも人気の高かったアラン・ドロンがこの8月に亡くなりました。今年2024年は、6月にアヌーク・エーメ(享年92歳)、10月にミシェル・ブラン(享年72歳)もこの世を去り、フランス映画好きとしては寂しい一年となりました。そこで、彼らを偲んで、それぞれの主演作の中から一作を紹介します。
目次
アラン・ドロンの色男ぶりを堪能! 全盛期の美貌は必見
『危険がいっぱい』
1935年にパリ郊外で生まれたアラン・ドロンは、1950年代後半に俳優として歩み始め、1960年のルネ・クレマン監督作『太陽がいっぱい』で完全犯罪を企む主人公を演じて世界的なスターとなりました。以降、数多くの映画に出演して二枚目俳優として愛される一方で、多くの女性と浮名を流したり、晩年はドロンが長年同居した女性とアランの子どもたちとの間で騒動が起こるなど、プライベートでも世間を大きく賑わせていました。
今回紹介する『危険がいっぱい』は、ドロンとルネ・クレマン監督が再タッグを組んだ作品です。『太陽がいっぱい』で若きドロンを主役に抜擢した監督だけに、今作でも“正統派二枚目だけれど野心を秘めた男”というドロンが最も輝く役柄をあてています。
ドロンが演じているのは、ギャングのボスの情婦に手を出したために殺し屋から追われているマルクという男。マルクは逃れた先で出会った大富豪の未亡人バーバラに気に入られ、住み込み運転手として雇われます。南仏の豪邸ではバーバラの従姉妹のメリンダ(ジェーン・フォンダ)がなにかとマルクの世話を焼きつつ誘惑してきますが、マルクはバーバラが何かを隠していると疑いはじめ……。騙し騙され、最後に笑うのは誰なのでしょうか。
ワケあり色男と二人の美女が繰り広げる色仕掛けの陰謀を、コミカルなシーンを織り交ぜながらモノクロ映像とジャズ音楽でスタイリッシュに描いています。当時30代前半のドロンと20代後半のジェーン・フォンダが美しく、スクリーンの相性も抜群です。
『危険がいっぱい』
1963年製作
Amazon Prime Videoの
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©1963 GAUMONT
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。