更年期を前向きに生きる50代の素朴な疑問とサポートアイテム
女性ホルモンに大きく左右されている女性の体調。
更年期の只中と更年期を終えた「ポスト更年期」、どんな変化があるのか。
体質によっても変わる不調への対処法とともに考えます。
“更年期の症状は変化している?”〜ミモザ会座談会〜
不調が始まる年齢や症状は人それぞれ
―更年期の間に感じる症状に、変化はありましたか?
A 40代後半にまず肌が敏感になって今までの下着でかゆみが出るようになり、すべて買い換えました。閉経する2年くらい前からはほてったり鼻血が出たり。婦人科に行って更年期の症状だというのがわかったので、安心しました。閉経した今は、前より体調が改善してきました。
E 私は更年期の最中。今まではいていたスカートの裏地が、チクチクするんです。あと、倦怠感とやる気のなさがひどくて……。「私なんか」と、ネガティブになりがちです。
O 私は40代には症状がなかったのに50代からだるさ、頭痛、のぼせが。最近は、ひんぱんに胃がむかむかするし、お腹の張りで食事がちゃんとできなかったり。日によって症状が違うので、朝起きると「今日はどうなんだろう」と、考えてしまいます。内科的には異常がなく、更年期の症状だろうと言われるのですが、閉経して数年たつのに終わりが見えなくて……。
―肩こりや腰痛がひどくなる人もいますが、皆さんはどうですか?
E それもありますね。だるさがひどいのは肩こりも関係しているかも。
O 私が気になるのは、手指のこわばり。朝起きたときにちゃんと動かないんです。
―更年期の症状について、なにか対策はされていますか?
A がんばるのをやめました。根性論が身についている世代のせいか、無理をすることもありましたが、今は流れに任せます。
E だるいときは、早めに寝ればかなり回復します。アーユルヴェーダのサロンやウォーキング教室に参加したりもしています。症状が続くので、市販の漢方薬なども気になります。
O 私も予定もなく家にいると、症状が気になるので、なるべく外出して明るく過ごすようにしています。また、更年期前、中、後と、症状によって対処法も変えていく必要を感じています。
更年期のお助けアイテム
肌への刺激が少ない下着を
〈ノンワイヤー&リブ素材でさらっと快適〉
下着のレースやタグ、ブラのワイヤーなどがチクチク感じられる人は、肌触りのよさに配慮した下着を。
B.V.D. WEB限定 毎日ブラ リブ ノンワイヤー モールドハーフトップ¥2,750、ハイカット ショーツ¥1,320/B.V.D.(富士紡ホールディングスお客様相談室)
市販の漢方薬を味方に
〈13種類の生薬にビタミン、カルシウムを配合〉
女性ホルモンの乱れによって起こるほてりやイライラ、頭痛などに。
女性健康薬 命の母A 第2類医薬品 420錠¥2,860/小林製薬 お客様相談室
〈55歳頃からの腰痛、肩こりに〉
更年期後のエストロゲン不足による関節痛や肩こりを10種の生薬で改善。
女性健康薬 命の母アクティブ 第3類医薬品 168錠¥2,200/小林製薬 お客様相談室 *WEB発売中 *10月12日全国発売
更年期とその後で何が変わるの?
更年期とポスト更年期で症状も変化。個人差も大
「女性ホルモンの量がだんだん減り、月経周期の乱れで変動が激しくなってくるのが更年期です。それによって自律神経が乱れ、さまざまな不調が現れます。人によって訴える症状は違いますが、代表的なのはのぼせやめまい、頭痛など。閉経し、一般的に更年期と呼ばれる時期が過ぎ、女性ホルモンがほとんど出ない状態になると、自律神経の乱れは少なくなりますが、今まで女性ホルモンによって抑えられてきた血圧や血糖値の上昇があったり、骨粗しょう症が増えていきます」と、森永先生。
つまり、女性ホルモンの変動による不調が出やすいのが更年期。
一方、女性ホルモンが作用する、血管をしなやかにしたり、筋肉や骨を強くするなど、女性の体を守る働きが弱くなってくるのが更年期以降のポスト更年期。
血流が悪くなって肩こりや腰痛などが出やすくなるほか、尿失禁や腟の乾燥など、今までは感じたことのない不調が現れることも。
更年期後も、変化を受け入れながら、自分の体をいたわることが大切。
個人差も大きいので、体に合ったメンテナンスをするのも重要です。
注意したいポイント4つ
❶ 筋肉量が減少
加齢に伴い、女性も筋肉量が減少します。
栄養不足も重なって、サルコペニアと呼ばれる筋力低下に陥る人も。
歩くスピードが遅くなってきたら要注意です。
⇨たんぱく質をとる
筋肉の材料となるたんぱく質を意識してとることが大切。散歩はもちろん、スクワットや片足立ちなど体力に合わせた運動を取り入れて。
❷ 動脈硬化が進む
ポスト更年期は、悪玉コレステロールが増えやすく、動脈硬化が進みます。
胸の圧迫感や息切れ、動悸などが続く場合は注意。
高血圧などの診断を受けたら、生活改善を。
⇨オメガ3の油と有酸素運動
ウォーキングなどの有酸素運動を続けることが有効。
さらに、オメガ3などの良質な油は血管を強くし、血圧を下げる効果があります。
❸ 骨密度が低下
50歳以上の4人に1人が骨粗しょう症。
女性ホルモンの減少で、骨の代謝バランスが崩れるのが原因です。
背中や腰の慢性的な痛み、転倒による骨折などに注意。
⇨カルシウム摂取と日光浴
カルシウムをとると同時に、日光を浴びて、カルシウムの吸収を助けるビタミンDをつくること。
骨に負荷をかけるスロージョギングなどが◎。
❹ 疲れやすくなる
更年期もそれ以降も多い疲れの症状。
自律神経の乱れによる血行不良や、睡眠の質の低下が影響しています。
意欲が湧かない、うつうつとするなど、精神症状が伴う場合も。
⇨がんばりすぎないこと
入浴などで血の巡りをよくすると、睡眠の質の改善につながります。
ストレッチやウォーキングなどもおすすめですが、がんばりすぎないこと。
読者の素朴なギモンQ&A
Q1. 更年期の症状と病気の見極め方は?
A. 症状が重くなっているなら注意
症状が長く続いて生活に支障がでたり、だんだん重くなっていく場合は、受診して症状に関する検査を受けましょう。
人間ドックなどでは異常がなくても、原因となる病気が見つかる場合があります。
Q2. 更年期の終わりの合図はあるの?
A. 特に合図はなく、自然と終わります
更年期にあった症状はしだいに消えていくケースが多いですが、なかにはダラダラと不調が続く場合もあるので、あいまい。
いつしか不調を忘れて、前の日常に戻っているということが多いようです。
Q3. “更年期が終わると霧が晴れたようになる”は本当?
A. 気づいたら収まっていることも
霧が晴れたように元気になる人もいれば、しばらく続く人もいます。
仕事、介護、子育てなどいろいろことが重なり大変な時期ですが、焦らないことが大切。
【教えてくれたのは・・・】
東京女子医大附属東洋医学研究所 助教
森永明倫先生
内科医。漢方の研修や心療内科での診療を経て、2018年より現在の研究所に勤務。
生活習慣などの養生に重点を置いた診療を心がけている。
イラスト/長谷川ひとみ 文/田中絵真
大人のおしゃれ手帖2022年11月号より抜粋
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この記事を書いた人
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