宝物に囲まれた空間で過ごす、心を満たす暮らし
~料理研究家でフードジャーナリスト、ナンシー八須さんの住まい~
『大人のおしゃれ手帖』2023年3月号(2月7日発売)の特集「50代からの心地よく暮らす家の作り方・使い方」では、生活の基盤となる「家」の見直し方をお伝えしています。その企画内で自身でデザインしたキッチンを紹介していただいた、料理研究家でフードジャーナリストのナンシー八須さん。誌面では紹介しきれなかった、素敵な暮らしをお伝えします。
ウッディな室内に映える鮮やかなインテリア
ナンシーさんの住まいは、埼玉県神川町ののどかな田園風景の中に立つ杉の一軒家。天窓から陽が差し込む明るいリビングには、ローラアシュレイのソファが並びます。「ソファのカバーは最近、新調したばかり。飼い猫たちが汚すので、普段はカバーをかけています(笑)」。たんすや籠、障子は骨董市で見つけた掘り出し物で、ペンダントライトなどの照明はすべてアマゾン(アメリカ版)で購入。和洋折衷な空間の隅々まで、ナンシーさんのセンスとこだわりが詰まっています。
宝物や銘品に囲まれ、日常にワクワクをちりばめて
使いやすく、すっきりとしまえる収納にこだわったという、ナンシーさんが設計したキッチン。「いつも気持ちよく、きれいに使うように。レンジやシンクは、ピカピカに掃除して大切にしたいと思っています」。メキシコの黄色いタイルが印象的なコーナーの食器棚に並ぶのは益子焼の器。人間国宝の島岡達三さんに弟子入りしたオーストラリア人の陶芸家リチャード・バリンジャーさんのもの。「なかなか手に入れることが難しい作家のものですが、彼がオーストラリアに帰国する際に、購入するチャンスに恵まれました。すべて私の宝物です」。ほかにも人間国宝の濱田庄司さんの益子焼、濱田さんの陶芸仲間でイギリスを代表する陶芸家バーナード・リーチさんの作品などの銘品も。ナンシーさんは本当にいいものを“いつもの暮らし”で使っています。
するほどに口当たりが滑らかになる白和え
ナンシーさんが作る白和えは、口当たりがとても滑らか。野菜は八須家の畑で栽培した採れたてのものを使います。調味料にもこだわりがあり、豆腐、しょうゆ、味噌は、同じ神川町にあるヤマキ醸造のものを使用。明治35年から続く、有機食品の老舗です。「木綿豆腐をザルで一晩水切し、すり鉢に入れて山椒の木でよくすっておきます。滑らかになったら、塩、ごまペースト、味噌、みりん、しょうゆで味を整え、茹でて刻んだほうれん草、塩もみした細切りのにんじん、柚子の皮の千切りを加えて和えれば完成です」
窯焼きピザでホームパーティも
暖かくなったら庭でピザを焼いてホームパーティを開くことも。アマゾンで見つけたOONI(ウニ)の移動型のピザ窯はコンパクトで手軽に使え、普段は庭の隅に片付けておけるので便利。「火力が強く、あっという間に500度まで上がるので1~2分でおいしいピザが焼けます」
教えてくれたのは……
料理研究家・フードジャーナリスト
ナンシー八須さん
米国・カリフォルニア州出身。スタンフォード大学卒業後、1988年に英語教師として来日。農業を営む夫と結婚し、農家の手伝い、子育てをしながら料理研究家として活動。『Japan, The Vegetarian Cookbook』(Phaidon)が5月発売予定。
写真/大森忠明 文/坂口みずき
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