実は間違いだった⁉
誤解しやすい美容の「常識」
『大人のおしゃれ手帖』2023年4月号掲載の「美肌・美髪のための本当に正しいケア習慣」特集では、皮膚科医の吉木伸子先生に皮膚科学的に正しいケアを伺いました。実は誌面では取り上げられなかった「美容常識」がまだまだたくさん! 誤解を生じやすい美容キーワードを吉木先生に詳しく解説してもらいました。
キーワード1「浸透」
“浸透すればいい”というものではない
“有効成分が浸透する化粧品”と聞くと、何だか効果が高そうな気がしますよね。しかし、吉木先生によると「何でも浸透すればいい、というものではない」そう。例えば、保湿成分に期待されている役割は、皮膚のいちばん外側の角層で水分を保持すること。皮膚の奥深くに浸透しては逆に意味がないのです。「きちんとした化粧品は目的に合わせて、有効成分を皮膚のどこで働かせるかを考えて設計されています。浸透するかどうかではなく、目的に合わせて選ぶことが大切です」
キーワード2「敏感肌」
バリア機能が壊れて“浸透”する状態
「皮膚科学的な定義はありませんが、一般に皮膚のバリア機能が壊れている状態を“敏感肌”と呼んでいます」。皮膚の最も重要な役割は異物の侵入を防ぐこと。しかし、物理的刺激や強すぎる界面活性剤などで、このバリア機能が破壊されると、いろいろな成分が肌に浸透してしまうことに。「しみる、かぶれる」といったトラブルが出たときは要注意です。「バリア機能が壊れているときは、最低限の軽いメイクに。クレンジングをやめて石けん洗顔だけにすると肌が落ち着いてきます」
キーワード3「ポイントメイク落とし」
精製オリーブオイルで浮き上がらせて
「ポイントメイクは専用のリムーバーがありますが、通常のクレンジング料よりも刺激が強いので、毎日使うのは避けたほうがよいでしょう」と吉木先生。特に目の周りは皮膚が弱く、炎症を起こしてシミやシワの原因にもなりかねないそう。
代わりに吉木先生がおすすめしているのが、精製オリーブオイルを使ったポイントメイク落としです。まずコットンにオリーブオイルをしみこませてまぶたや唇などにのせます。30秒~1分程度でメイクが滲んできたら、コットンでやさしくぬぐってください。この後に顔全体のクレンジングを行いましょう。精製オリーブオイルは薬局で入手できます。
教えてくれたのは……
吉木伸子先生
皮膚科・美容皮膚科「よしき皮膚科クリニック銀座」院長。皮膚科医。科学的根拠にもとづいた明快なスキンケア・ヘアケアの解説が幅広い世代からの支持を得ている。
撮影/清水奈緒(メインカット) スタイリング/平井律子(メインカット) 文/寺本 彩 画像・イラスト素材/PIXTA
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