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大人のおしゃれ手帖 12月号

大人のおしゃれ手帖

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大人のおしゃれ手帖
2024年12月号

2024年11月7日(木)発売
特別価格:1650円(税込)
表紙の人:天海祐希さん

2024年12月号

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【特別対談】
俳優・ユースケ・サンタマリアさん× 芸人・藤井 隆さん
大人男子が実感する「年齢」そして「友愛」とは?

オトナトモダチ —相互交感— 俳優・ユースケ・サンタマリアさん× 芸人・藤井 隆さん

この春、男性たちの長く奇妙な友情を描いたミュージカルで共演するおふたりは、ともに50代。
大人男子が実感する「年齢」そして「友愛」とは?


ユースケ・サンタマリアさん(以下、ユースケ) 今稽古しているミュージカル『おとこたち』は、同年代の男友だち4人の20代から80代までを描いた話。4人を演じる俳優もほぼ同世代で、中でも藤井くんと俺はひとつしか違わないんですよ。だから俺は完全に同い年の認識だったのに、最初に年齢の話をしたら藤井くん、「えーっ!」って驚くんだもん。

藤井 隆さん(以下、藤井) はい。10コ(10歳)上だと思ってました(笑)。

ユースケ 10コって、それじゃ俺、60だよ?

藤井 ハハハ! ユースケさん、よく「ちっちゃい頃から見てました」って言われるでしょ。そのくらい、キャリアとこちらがいただいているバリューに差があるんですよ。

ユースケ 俺だって、藤井くんを昔から見てた気がするよ。それに何ていうか、キャラは違うけど現場で任される役割的なものが微妙に〝かぶる〟気が……。藤井くんが出てたらそこに俺の入る隙はない、みたいな。

藤井 そんなふうに言っていただくのはすごく恐縮ですけど、確かに、こうやって毎日顔を合わせるのは初めてですよね。

ユースケ この作品、けっこう無茶なことやらされるんですよ。お芝居でも歌でも、演出家は「その場で浮かんだものを表現してください」って言うんだけど、浮かばねぇから!(笑)。でも、藤井くんは要求を捉えるスピードがダントツに速い。表情でも動きでもパーン! と表現できる。すべて俺にない部分。

藤井 いやいやいやいや。物語を引っ張る役どころをユースケさんにお任せした岩井さんの気持ち、僕にはわかりますよ。観に来てくださる方が期待するユースケさんのパブリックイメージを最大限に利用して、物語の中に引き込んでいこうとする技は、見てて何度も「うわぁ、すごい」と思いました。

—自分が生きてきた時間をポジティブに捉えて人や物事を受け入れられる人になりたい

ユースケ もうね、気が遠くなるよ。でも、それぞれにないものを持ってるメンバーが集まってるから、俺としてはすごく頼りにしてる。だから対抗しようなんて思わず、自分は別のところで頑張ろうと……何といっても、もういい歳だしね。俺の中では感覚とか好きなものとか、30代、どうかすると20代から全然変わってない気がするけど、それでも実年齢は実年齢。間違いなく俺の生きてきた年数なので。

藤井 ですね。僕も50歳になったとか、芸能生活30周年だとか、すっかり忘れてました。

ユースケ 50になる前は、やっぱり一瞬構えたりはしたかもしれない。けど、なったらなったで仕方ないし、それをどれだけポジティブに捉えられるか……年上の人たちも、皆、当然のようにバリバリやってるしね。

藤井 ねー。若いときは5歳上の人ってすごく上だと思ってましたが、最近は10歳上でもあまり関係なくなってきました。いつの間にか敬語も使わなくなって、友だちみたいに。

ユースケ よく「年齢を重ねて丸くなる」っていうけど、本当、そうなるんだよね。前はあんなに恐ろしかった先輩が、今は誰かにツッコまれてもニコニコしてたりする。自分でも、前よりは何事も受け入れられるようになってきた気が……まあ、内容にもよるか。

藤井 フフフ。僕は前から、できればどこでも仲良く、円滑に始めて円滑に終えたいと思うほう。それに最近は、たとえ共演していたとしても、気軽に食事に行ったり飲みに行ったりできないじゃないですか。稽古と本番だけで相手との関係を作ってやり遂げるんだ! ということを、ここ3年、ずっとやってきたから、限られた時間で仲良くなろうという思いやりを感じます。もちろん、今回の現場にも。

ユースケ 藤井くん、真っ先にみかんを箱で差し入れてくれたからね! 演出家なんて、みかんばっか食ってるから、だんだん黄色くなってきてるし(笑)。そんなふうにいつも口火を切ってくれるから、皆が続くんだよ。俺も、そろそろ何にするか考えてるから!

藤井 箱じゃないです! 袋です!(笑)

〔 ミュージカル 〕
『おとこたち』

愛と性に翻弄され、ときに野心を燃やし、迷い騙され、それでも生きる。現代男性の生と悲哀を赤裸々に綴る音楽劇は、ユースケさん曰く「年齢を重ねた人間だから説得力を発揮できる作品……になるんじゃないかと!」。「物語の中に皆さんの夫や兄、弟の姿が見つかるかもしれません」と藤井さん。

脚本・演出 岩井秀人 音楽 前野健太
出演 ユースケ・サンタマリア 藤井隆 吉原光夫
 /大原櫻子 川上友里/橋本さとしほか
3月12日(日)~4月2日(日) PARCO劇場
※4月~大阪、福岡公演あり


俳優・ユースケ・サンタマリア
1971年生まれ。音楽活動を経てタレント、俳優として活躍。最近の出演作に映画『アキラとあきら』、ドラマ『パンドラの果実—科学犯罪捜査ファイル—』、舞台『音楽劇 海王星』など。

芸人・藤井 隆
1972年生まれ。92年、吉本新喜劇に入団し、芸人、タレント、歌手、俳優として活躍。近年の舞台出演作に『ゲゲゲの鬼太郎』『広島ジャンゴ2022』『雪やこんこん』がある。


撮影/尾嶝 太 
スタイリング/藤本大輔[Tas](ユースケさん), 奥田ひろ子(藤井さん)
ヘアメイク/池田真希(ユースケさん), 柳美保[Tron Tokyo Inc](藤井さん)  
文/大谷道子

大人のおしゃれ手帖2022年4月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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