ガーデニング気分が高まる映画・ドキュメンタリー3選
THE ROSE MAKER ©2020 ESTRELLA PRODUCTIONS-FRANCE 3 CINÉMA-AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINÉMA
さまざまな花が咲く美しい季節がやってきました。ゴールデンウィークにはガーデニングでも始めてみようかな、と思っている人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、観たら花を植え育てたくなるような映画・ドキュメンタリーを3作品ご紹介します。観るだけで癒やされること間違いなし!
バラ好き必見!
『ローズメイカー 奇跡のバラ』(2020年)
フランス郊外が舞台。バラ一筋で生きてきた育種家のエヴ(カトリーヌ・フロ)と助手、そして職業訓練所から格安で雇った3人のワケあり労働者が、倒産寸前のバラ農園の起死回生に挑みます。亡き父が遺したバラ園を守るために必死のエヴは、傑作となるに違いない新しい品種のアイデアを思いつきますが、その交配にはライバル会社が独占している品種が必要でした。そこで、エヴが指示したとんでもない裏技とは? パリの新品種コンクールまであと1年、エヴと秘書、園芸素人3人の挑戦の結末は?
ストーリーを彩るのは、美しく咲き誇る数多のバラ! パリのバガテル公園で開催されるコンクールが華やかに再現されているほか、バラ園で育成中の花々の素朴な美しさにも心奪われます。また、新種を生み出す交配の過程も見どころです。
バラ以外に関心がなく頑固者のエヴが、社会のはみだし者でもある3人を支援することで、逆に少しずつ愛情や友情に目覚めていく姿がユーモラスに描かれている本作。「美のない人生は虚しい」というメッセージが心に残ります。
『ローズメイカー 奇跡のバラ』
DVD ¥4,180
発売・販売元:松竹
実話を基にしたサクセス・ストーリー
『フラワーショウ!』(2014年)
アイルランドの田舎で自然と戯れながら育ったメアリー(エマ・グリーンウェル)は、自然を愛する大人の女性に成長。「自分がデザインした庭で世界を少しでも変えたい」との思いから、大物ガーデンデザイナーのシャーロットのアシスタントに応募し、採用されたものの、虚栄心の強いシャーロットにデザインを盗用された挙句、クビを宣告されてしまいます。失意の彼女は、英国王立園芸協会が毎年5月に開催するチェルシー・フラワーショーで金メダルをとる、という壮大な目標を立てますが……。
世界最高峰のフラワーショーに、華やかな花を一切使わずに、サンザシと雑草の生い茂る庭という斬新なアプローチで挑んで新風を巻き起こしたメアリー・レイノルズの実話を基にした物語。サンザシは古代ケルトが神木として大切にしている木で、花言葉は「希望」。5~6月に甘い香りを漂わせながら白い花を咲かせます。
自然をコントロールするのではなく、自然と一緒に生きたい。そんなメアリーの強い思いが伝わる作品です。
『フラワーショウ!』
DVD ¥4,180
発売元:『フラワーショウ!』上映委員会
販売元:TCエンタテインメント
提供:STAR CHANNEL MOVIES
“緑の巨大なアート”に挑む10組の熱きバトル
『ビッグ・フラワー・ファイト』(2020年)
より美しく、より大きな緑のアート作品を目指して、10組の挑戦者たちが園芸の腕を競うリアリティーショー。フラワーアーティスト、彫刻家、庭園デザイナーなどさまざまな職業の人々が2人1組で出場し、8回のチャレンジに挑みます。毎回、審査員によりベスト1組が選出され、最下位の1組は脱落。優勝チームには、ロンドンのキューガーデンに飾る作品をデザインする権利が与えられます。
Netflixシリーズ『ビッグ・フラワー・ファイト』独占配信中
Netflixシリーズ『ビッグ・フラワー・ファイト』独占配信中
お題は「植物で作る巨大な虫」や「ドライフラワーで作るモビール」など毎回異なり、挑戦者たちは創造力と技術を駆使して大作に取り掛かりますが、なにしろ巨大なので体力も必要です。汗だくになって、ジョウロの水を頭からかけている参加者も。また、制作途中でオブジェが倒れてしまうなどのハプニングも発生し、見ているほうもハラハラ。そうして完成した作品は、ラブリーなピンク色の花々で作った“空飛ぶブタ”や、花びら1枚1枚をレースのようにあしらったドレスなど、美しさもスケールも圧巻です。
Netflixシリーズ『ビッグ・フラワー・ファイト』独占配信中
決勝のお題は、童話の1シーンを特大スケールで造ること。「ヘンゼルとグレーテルの家」から顔を出すのは、審査員で有名フラワーアーティストのクリステン・グリフィス=バンダーヨット。
Netflixシリーズ『ビッグ・フラワー・ファイト』独占配信中
写真家とDJ兼キュレーターのカップル。園芸を仕事にしていないにも関わらず、めきめきと腕をあげた。
家庭園芸で真似できる規模のものではありませんが、挑戦者たちの自由な創造力と情熱は見習いたいもの。どのチームが優勝したのか、決勝まで一気見したくなること請け合いです。
構成・文/中山恵子
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