永遠のファッションアイコン、『オードリー・ヘプバーン』の名作3選
オードリー×ジバンシィ×ティファニーが生んだ美の結晶
『ティファニーで朝食を』
早朝のニューヨーク五番街、宝石店ティファニーの前に立ち、紙コップを片手にパンをかじる黒いドレスの女性。
あまりにも有名なワンシーンで始まる『ティファニーで朝食を』は、トルーマン・カポーティの同名小説をオードリー・ヘプバーン主演で映画化したラブストーリーです。
主人公のホリー・ゴライトリーは、猫と一緒に気ままに暮らす女性で、高級娼婦であることを匂わせています。
彼女が住むアパートに引っ越してきた駆け出しの作家ポールは、ホリーに惹かれていきますが、テキサスから彼女の夫だという男がやってきて……。
本作のオードリーのファッションも、その一部をユベール・ド・ジバンシィが担当。
冒頭のブラックドレスや朱色のコートなど、オードリーが着ると優美なだけでなく軽やかさが加わります。
ホリーが「ムーン・リバー」をギターで弾きながら歌う名シーンなどのカジュアルな装いはイーディス・ヘッドが手掛けていますが、これもまた素のホリーを表現していて魅力的です。
オードリーが娼婦役に挑んで新境地を開いた作品ですが、よく言われているように、原作とは異なります。
ただ、オードリーが醸し出す微かな不安定さにより、ファッショナブルな映画の全編にどことなく物悲しさが漂っていて、映画版ならではの味わい深さがあります。
『ティファニーで朝食を』
1961年製作
Blu-ray ¥2,075/DVD ¥1,572
発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
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構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。