ジェーン・バーキン追悼、唯一無二の魅力を知る名作映画3選
『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』© 1976 STUDIOCANAL - HERMES SYNCHRON All rights reserved
ジェーン・バーキンがこの世を去ってから1年が経ちます。
1946年にイギリスのロンドンで生まれたジェーンは、女優デビュー後にフランスに渡り、セルジュ・ゲンズブールと出会います。
二人はデュエット曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」を発売しますが、これが女性のあえぎ声が入っていることから官能的で過激すぎると物議を醸し、各国で放送禁止になるなどセンセーションを巻き起こしました。
以降、フレンチロリータのアイコン的な存在となったジェーンは、中性的で飾らない容姿でありながらセクシーな魅力で世界中の人々を魅了し、Tシャツにデニムにバスケット、あるいはエルメスのバーキンというファッションは、今でもおしゃれの手本とされています。
歌手、女優として、多くの素晴らしい作品を残したジェーンですが、今回は、ジェーン出演の名作の中から、異なる年代の3作を紹介します。
目次
ショートヘアが新鮮! 時代を先取りした過激作
『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』
1969年に発表されたセルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンのデュエット曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」をモチーフにした1976年の映画で、ゲンズブール初の監督作品。
舞台はアメリカの田舎を彷彿させる町。ゴミ処理をしながら町を転々としているクラスキー(ジョー・ダレッサンドロ)とパドバンは、カフェでウェイトレスとして働くボーイッシュな女性ジョニー(ジェーン・バーキン)と出会います。クラスキーとジョニーは互いに興味を持ちますが……。
同性愛者とボーイッシュな女性の赤裸々な関係を描き、公開当時はイギリスで上映禁止になるなど、楽曲と同様に物議を醸した本作。
© 1976 STUDIOCANAL - HERMES SYNCHRON All rights reserved
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クラスキーがジョニーに惹かれたのは、彼女が男の子みたいだから。たしかにショートヘアで胸の小さいジェーンは、グラマラスでセクシーな女性像からはかけ離れていますが、中性的でありながらもなんとも言えない色気が漂っています。
このような役で自分の事実上の妻を撮ったセルジュにも脱帽です。
マイノリティが虐げられる世の中で、愛を求めて生きる人々を美しく描いた本作は、当時もフランソワ・トリュフォー監督が絶賛していたといいます。
ジェーンのファンならずとも必見の作品です。
『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』
1976年製作
Amazon Prime Videoチャンネル「シネフィルWOWOW プラス」で配信中
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。
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