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2024年10月号

2024年9月6日(金)発売
特別価格:1480円(税込)
表紙の人:吉田羊さん

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ジェーン・バーキン追悼、唯一無二の魅力を知る名作映画3選

中山恵子

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切ない表情が印象的、“ヘア”論争を巻き起こした名作
『美しき諍い女』

『美しき諍い女』© 1992 Pierre Grise Productions – France 3 Films Production – A.D.A.C.P.© 1992 Pierre Grise Productions – France 3 Films Production – A.D.A.C.P.

 第44回カンヌ国際映画祭審査員グランプリ受賞作でありながら、
1992年の日本公開時、ほぼ全裸で出演しているエマニュエル・ベアールの“ヘア”問題によって
芸術か猥褻か論争が巻き起こった作品。

 筆者も当時、Bunkamuraル・シネマに行って鑑賞してきました。
 その時に印象に残ったのは、全盛期のベアールの彫像のように美しい姿とともに、共演していたジェーンの哀切漂いながらも凜とした表情でした。

『美しき諍い女』© 1992 Pierre Grise Productions – France 3 Films Production – A.D.A.C.P.© 1992 Pierre Grise Productions – France 3 Films Production – A.D.A.C.P.

 ジャック・リベットが監督を務めた本作は、老画家(ミシェル・ピコリ)が10年間中断していた野心作「美しき諍い女」の制作を再開する物語。
 老画家の制作意欲に火をつけたのは、自分を訪ねてきた新進画家の若くて美しい恋人(エマニュエル・ベアール)でした。
 全裸でモデルを務める恋人と老画家、そしてかつて未完の絵のモデルを務めていた妻(ジェーン・バーキン)、彼らの関係に緊張が走り始めます。

『美しき諍い女』© 1992 Pierre Grise Productions – France 3 Films Production – A.D.A.C.P.© 1992 Pierre Grise Productions – France 3 Films Production – A.D.A.C.P.

 もう若くはない妻を演じたジェーン・バーキンの、あきらめや葛藤、ジェラシーなど、さまざまな感情を含んだ静かな演技が素晴らしく、筆者も年を重ねた今あらためて見ると、共感の度合いも大きいもの。
 彼女の名演が作品に味わい深い余韻を残しています。

『美しき諍い女』

『美しき諍い女』

1991年製作

Amazon Prime Videoで配信中


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構成・文

中山恵子

ライター中山恵子

ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。

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