ジェーン・バーキン追悼、唯一無二の魅力を知る名作映画3選
切ない表情が印象的、“ヘア”論争を巻き起こした名作
『美しき諍い女』
第44回カンヌ国際映画祭審査員グランプリ受賞作でありながら、
1992年の日本公開時、ほぼ全裸で出演しているエマニュエル・ベアールの“ヘア”問題によって
芸術か猥褻か論争が巻き起こった作品。
筆者も当時、Bunkamuraル・シネマに行って鑑賞してきました。
その時に印象に残ったのは、全盛期のベアールの彫像のように美しい姿とともに、共演していたジェーンの哀切漂いながらも凜とした表情でした。
ジャック・リベットが監督を務めた本作は、老画家(ミシェル・ピコリ)が10年間中断していた野心作「美しき諍い女」の制作を再開する物語。
老画家の制作意欲に火をつけたのは、自分を訪ねてきた新進画家の若くて美しい恋人(エマニュエル・ベアール)でした。
全裸でモデルを務める恋人と老画家、そしてかつて未完の絵のモデルを務めていた妻(ジェーン・バーキン)、彼らの関係に緊張が走り始めます。
もう若くはない妻を演じたジェーン・バーキンの、あきらめや葛藤、ジェラシーなど、さまざまな感情を含んだ静かな演技が素晴らしく、筆者も年を重ねた今あらためて見ると、共感の度合いも大きいもの。
彼女の名演が作品に味わい深い余韻を残しています。
『美しき諍い女』
1991年製作
Amazon Prime Videoで配信中
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。
関連記事
-
-
-
-
-
-
-
PR
-
PR
-
PR