【更年期の健康】夏疲れが腸に出る⁉ 「ゾンビ腸」にご用心
便秘、肥満、頭痛、肌荒れ、冷え、体臭……気になる不調は「ゾンビ腸」が原因かも⁉ 猛暑が続いた今年の夏の影響で、秋以降、腸の不調が加速する可能性もあると、日本初の便秘外来を開設した順天堂大学教授・小林弘幸先生は言います。更年期はとくに腸の健康が気になる世代。今から心がけたい対処法をご紹介します。
「ゾンビ腸」ってどんな状態のこと?
栄養を吸収し、全身に行きわたらせる機能を持つ腸。とくに、小腸から送られてきた食べかすから水分やミネラルを吸収し、便をつくる大腸は、消化器官の終点で老廃物がたまりやすい部分。大腸に体に有害な物質がたまるとその毒素が栄養とともに全身をめぐり、トラブルを引き起こすのです。
ホルモンバランスの乱れに加え、現代社会はバランスの悪い食生活、ストレスなどで腸内に老廃物がたまりやすい環境といえます。その影響で大腸の働きが弱まってしまった状態を「ゾンビ腸」と呼んでいます。
なぜ「ゾンビ腸」が増加しているの?
最近、腸トラブルを抱える人が増えていると言われますが、その原因は食生活と社会・生活環境にあると考えられます。
例えば、糖質を抑える「糖質制限ダイエット」は、糖質を多く含むごはん、パン、麺などの炭水化物を必要以上に減らすと、腸内細菌にとって欠かせない食物繊維が不足することに。また、「たんぱく質ブーム」は、たんぱく質を過剰に摂取すると、腸内環境を悪化させる悪玉菌の増加にもつながるうえ、動物性たんぱく質が消化に負担をかけてしまうことにも。
また、腸と自律神経は密接につながっているため、ストレスで自律神経が乱れ、腸のバランスが崩れることも。とくに、近年のコロナ禍による不安やストレス、SNSなどでの気苦労、さらには今年の猛暑続きによる心身の疲れや生活の乱れが秋以降、腸の不調に拍車をかける可能性もあり、いっそう腸のケアを心がけることが大切です。
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