【50代のこよみ養生】かぜ・冷え・頭痛・・・「立冬」から始める薬膳習慣で改善
立冬は時間に置き換えると夜9時。リラックスして精気を養うタイミング
1年を24分割する二十四節気と、1日24時間。どちらも太陽のリズムにシンクロしていて24個に区切られているという共通点があるため、二十四節気と1日24時間は置き換えて考えることができます。
冬のはじまりである立冬を1日24時間に置き換えると、夜9時。夜が深まりはじめる時間帯で、一般的には夕食を終えてくつろいでいて、入浴したり体のメンテナンスをしたり、寝る準備をはじめる人も少なくないでしょう。
この時間帯に思いっきり興奮したり、めまぐるしく活動したり、汗をかくほど体を動かしたりすると、そのあとなかなか寝付けなくなりませんか?すると寝不足になってしまって、翌日に疲れが残ったり、肌の調子が悪くなったり・・・。そうならないよう、夜9時以降はできるだけリラックスして過ごすのが理想的ですよね。
立冬の過ごし方もまさに同じで、この時期以降は心身をリラックスモードに切り替えて、できるだけゆったりと過ごすことを意識してみてください。
東洋医学では、冬は「精気を貯蔵する季節」とされています。精気とは生命活動を支えるエネルギー源となるもので、植物の種とか、動物の卵の中に蓄えられている“生命のもと”のようなものをイメージしていただくといいでしょう。東洋医学では、人間の体の中にもこの“生命のもと”となる精気を蓄える場所があり、冬に蓄えた精気が春・夏・秋の健康を支えると考えています。これは、前日の夜にしっかり寝て元気を蓄えることが、翌日の健康につながることと同じ。冬は1日に置き換えると夜に当たる季節なので、あまり活動しすぎず、激しい運動をしすぎず、リラックスして精力をしっかりと蓄えると、次の1年間の不調予防につながるのです。
例えば、春先にイライラしやすい、梅雨時に頭痛やめまいが起こる、夏バテしやすい、秋や冬にかぜをよくひく…など、季節の不調が見られる人は、冬を忙しく過ごしていたり体力を消耗する活動が多かったりしませんか?冬の過労、激しい運動、夜ふかし、無理なダイエット、暴飲暴食などは体内の精気を奪い、不調が起こりやすい虚弱体質化を招きかねません。季節の不調が気になる人は、ぜひ冬の過ごし方を見直してみてください。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
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