【50代のこよみ養生】かぜ・冷え・頭痛・・・「立冬」から始める薬膳習慣で改善
立冬から始めたい!精気を養う冬の薬膳の作り方
気を貯蔵するためには、食事で精気を補うことも重要なポイントです。精気は、体に熱を与えるエネルギーである「陽気」と、体に潤いを与える物質の「陰気(陰液)」から生まれるもので、体内に精気を蓄えるためには陽気と陰気の両方を補うことが必要です。
薬膳では「陽気を補う食材」「陰気を補う食材」のそれぞれにさまざまな食材が分類されていますが、そのなかでも特に冬の精気の貯蔵に適した食材をご紹介します。おすすめ順に番号をつけています。
◎陽気を補う食材(体に熱やエネルギーを補う食材)
①鶏肉、羊肉、ジビエ肉(熊肉、鹿肉)、えび、なまこ、くるみ
②うなぎ、あじ、鮭、たちうお、かつお、たら、豚の骨(とんこつ、スペアリブなど)
③にら、栗、もち米、キャベツ、ブロッコリー、かぼちゃ
◎陰気を補う食材(体に潤いを補う食材)
①かき、ほたて、あわび、いか、すっぽん、豚肉、鴨肉、卵
②やまいも、ぶどう・レーズン、黒ごま、くこの実、黒豆
③チーズ、牛乳、アスパラガス、小松菜、ほうれんそう、にんじん、ピーナッツ、白ごま、白きくらげ
精気を補う薬膳は、この2種類の食材を組み合わせて加熱調理をすれば完成。ひとつの料理にするのが難しい場合は、各食材を別々に調理してもかまいません。さらに「陽気不足タイプ」「陰気不足タイプ」のどちらの傾向が強いかに応じて、食材の比率を調整することもおすすめです。
・陽気不足タイプ・・・冷え、むくみ、下痢しやすい、顔が白い、かぜをひきやすいなどの傾向がより多く当てはまる人は、陽気が不足している可能性が。陽気を補う食材の比率を多くしてみてください。陽気を補う食材の①や②を多くし、陰気を補う食材を少し加えるといいでしょう。
・陰気不足タイプ・・・ほてり、肌・唇・眼などが乾燥している、顔が赤い、不眠などの傾向がより多く当てはまる人は、陰気が不足している可能性が。陰気を補う食材を多めにとってください。陰気を補う食材の①や②を多くし、陽気を補う食材を少し加えるといいでしょう。
・どちらにも当てはまらない・・・陽気を補う食材と陰気を補う食材の比率がだいたい同じになるように組み合わせてください。
あまり難しく考えずに、だいたいでもいいので、まずは食材の組み合わせを楽しんでみましょう。毎日が無理なら、できる範囲内で少しずつ。手っ取り早く鍋料理にするのもいいですね。ちなみに私は「陰気不足タイプ」なので、明日はほたて・いか・えびを具材にいかすみパスタを作って食べたいと思います。
それではみなさんも、よい立冬をお迎えください!
画像素材/PIXTA
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
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