絵画が伝える異才の生き様とは? “画家”の伝記映画4選 ~芸術の秋に観たい映画②~
エロスを描いた夭逝の画家と女たちの愛の物語
『エゴン・シーレ 死と乙女』
20世紀初頭、ウィーンの美術界に彗星のごとく現れ、わずか28年という短い人生を駆け抜けた画家エゴン・シーレ。代表作「死と乙女」で知られる夭逝の画家のスキャンダラスな生涯を描いた映画です。
1918年、第一次世界大戦下のオーストリア・ウィーンのアパートで、瀕死のシーレを看病する妹のゲルティ。ゲルティは部屋に残された絵画を見つけ、彼のモデルとなっていた若き日々を回想します。8年前、美術アカデミーを退学したシーレは、アトリエで裸体画を描き続けていました。モデルは16歳になる妹で、その絵はパトロンに好評でした。まもなく、21歳のシーレは、17歳の少女ヴァリと恋に落ちて同棲を始めますが、幸せな日々は長く続かず。さまざまな女性をモデルにした彼は、13歳の少女とホテルに泊まったことで幼児性愛者として訴えられてしまい……。
自画像などからもハンサムだったと思われるモテ男のシーレを、風貌の似ている美男俳優ノア・サーベトラが好演。挑発的な絵画を残したシーレの芸術活動とそれを支えた女性たちとの日々を美しい映像で描き出しています。
『エゴン・シーレ 死と乙女』
2016年製作
DVD ¥4,180
発売元:ニューセレクト
販売元:アルバトロス
構成・文
ライター中山恵子
ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。