50代以降に発症しやすい「指定難病」を知る
多発性筋炎・皮膚筋炎(指定難病50)
筋肉の炎症によって力が入りにくくなる病気で、皮膚症状がある場合は皮膚筋炎と呼ばれます。中年発症がもっとも多く、男女比は1:3です。症状には倦怠感、疲労感、食欲不振、筋力の低下、関節痛、レイノー症状などがあります。
治療には副腎皮質ステロイド(ステロイド)を使用し、多くの患者さんが日常生活に復帰しています。症状に応じて免疫抑制薬を併用することもあります。
悪性関節リウマチ(指定難病46)
「悪性関節リウマチ」は、関節リウマチの患者さんが関節以外の症状を認め、難治性または重症な病態を伴う場合に定義されます(ただし、内臓障害がなく関節リウマチの関節病変が進行して関節の機能が高度に低下したのみの場合は悪性関節リウマチとは呼びません)。
発症のピークは60代で男女比は1:2です。関節リウマチの患者さんの0.6%の頻度といわれています。発熱や間質性肺炎などの全身症状が急速に現れます。リウマチによる炎症をできるだけ早く取り除くことが治療方針であり、寛解するまで入院治療が原則です。
パーキンソン病(指定難病6)
大脳の下にある中脳の黒質ドパミン神経細胞が減少して起こる病気です。発症は50~65歳に多く、40歳以下で発症するものは若年性パーキンソン病と呼ばれます。症状は、ふるえ、動きが遅くなる、転びやすくなるなど。ほかに便秘や頻尿、発汗、疲れやすいなどの症状が現れることもあります。
治療は薬物療法が基本で、運動など日常生活の工夫も大切な治療になります。治療薬が開発され、現在のパーキンソン病の平均寿命は全体の平均とほとんど変わらないと考えられています。
この記事のキーワード
この記事の監修者
医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長菊池大和
2004年3月、福島県立医科大学医学部卒業後、湘南東部総合病院外科・外科科長などを経て、令和元年5月1日より現職。「総合診療、救急診療を通じて、地域医療に最大限に貢献する」ことを目的に日々診療を行う。 救急センター長日本救急学会救急科専門医、日本外科学会外科専門医、日本慢性期医療協会総合診療認定医、日本医師会認定健康スポーツ医、認知症サポート医身体障害者福祉法指定医(呼吸器)、厚生労働省初期臨床研修指導医、神奈川県難病指定医、エピペン処方認定医
関連記事
-
-
-
-
-
-
-
PR
-
PR
-
PR