50代以降に発症しやすい「指定難病」を知る
脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)(指定難病18)
小脳の神経細胞が徐々に減少することにより、歩行時のふらつきや手のふるえ、ろれつが回らないといった運動失調症状が現れる病気です。脊髄にも異常がみられることがあるために「脊髄小脳変性症」と呼ばれます。
脊髄小脳変性症はひとつの病名ではなく、これらの運動失調症状をきたす病気の総称です。遺伝歴のない脊髄小脳変性症と、遺伝性の脊髄小脳変性症に大別されます。
現状ではヒトに対して有効な薬が確立されておらず、対症療法を行います。今後、有効性のある薬の開発が期待されています。
多系統萎縮症(1)線条体黒質変性症(指定難病17)
多系統萎縮症のうち、初期症状がパーキンソン病に似た症状で、それを主な症状として経過するものを「線条体黒質変性症」と呼びます。抗パーキンソン病薬が効きにくい特徴があります。
多系統萎縮症の患者さんのうち約30%が該当すると考えられています。青年期に発症し、特に50代に多く見られます。現状では病気の進行を止める治療は確立しておらず、対症療法を行います。
多系統萎縮症(2)オリーブ橋小脳萎縮症(指定難病17)
多系統萎縮症のうち、初期症状が起立・歩行のふらつきなどの小脳症状で、それを主な症状として経過するものを「オリーブ橋小脳萎縮症」と呼びます。
多系統萎縮症の患者さんのうち、約70~80%が該当すると考えられています。青年期に発症し、特に50代に多く見られます。現状では病気の進行を止める治療は確立しておらず、対症療法を行います。
多系統萎縮症(3)シャイ・ドレーガー症候群(指定難病17)
多系統萎縮症のうち、初期症状が尿失禁や失神などの自律神経障害で、それを主な症状として経過するものを「シャイ・ドレーガー症候群」と呼びます。
多系統萎縮症の患者さんのうち、約15%が該当すると考えられています。青年期に発症し、特に50代に多く見られます。現状では病気の進行を止める治療は確立しておらず、対症療法を行います。
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この記事の監修者
医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長菊池大和
2004年3月、福島県立医科大学医学部卒業後、湘南東部総合病院外科・外科科長などを経て、令和元年5月1日より現職。「総合診療、救急診療を通じて、地域医療に最大限に貢献する」ことを目的に日々診療を行う。 救急センター長日本救急学会救急科専門医、日本外科学会外科専門医、日本慢性期医療協会総合診療認定医、日本医師会認定健康スポーツ医、認知症サポート医身体障害者福祉法指定医(呼吸器)、厚生労働省初期臨床研修指導医、神奈川県難病指定医、エピペン処方認定医
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