【50代のこよみ養生Vol.4】老化度は冬で差がつく!東洋医学式・冬のアンチエイジング
今日は二十四節気の「小雪(しょうせつ)」の6日目。11月7日の立冬から始まった冬の節気は、小雪→大雪(たいせつ)→冬至(とうじ)→小寒(しょうかん)→大寒(だいかん)と進んでいきますが、この冬の節気全体を通したテーマとなるのが老化対策。冬が始まってまだ間もない今のうちから東洋医学式・冬のアンチエイジングを実践して、老化から体を守っていきましょう!
冬は五臓の「腎(じん)」の季節
本格的に寒くなってきて、世間はいよいよ冬モード。でも「50代のこよみ養生」をご覧いただいているみなさんにとっては、11月7日の立冬からすでに冬は始まっていたのでは・・・なんて思ったり。二十四節気を意識した生活は、気温の変化で季節を感じる生活よりも一足早く季節のケアをスタートできるのが大きなメリットですね。
ところでみなさんは、「五臓」という言葉を聞いたことがありますか?
東洋医学の用語で肝(かん)・心(しん)・脾(ひ)・肺(はい)・腎(じん)のことをいいますが、この五臓は体のさまざまな部位や生理機能と密接につながっているほか、季節とも深い関わりがあり、春は肝、梅雨は脾、夏は心、秋は肺、そして冬は腎が最も活発に働く季節となっています。自然と心身との調和を重視する、東洋医学ならではの視点ですね。
とはいえ、「季節と五臓の関わりってなに?」と思われる方もきっと多いことでしょう。五臓と季節の関わりは、植物の変化にあてはめるとイメージしやすくなります。
植物は春になると空に向かって新芽を伸ばし、梅雨時はぬかるんだ土壌からたくさんの水分と栄養分を吸収して成長し、夏にはさかんに光合成をしてエネルギーを生み、秋はエネルギーを凝縮させて実をみのらせ、冬は地中の根に栄養分を蓄えて春に備える、という変化を繰り返しています。
同じように人間も、春は体の奥深くに蓄えていたエネルギーが上昇・発散しはじめ、梅雨時は体内に水分をたっぷり蓄えてめぐらし、夏はさかんにエネルギーを燃焼し、秋はエネルギーを内向きに収縮させ、冬は体の奥に生命力を蓄えて春に備えるという変化を繰り返しています。春の上向きの発散力が肝の働き、梅雨時に体内の水分を全身に運ぶ力が脾の働き、夏のエネルギーを燃焼する力が心の働き、秋のエネルギーを内向きに収縮させる力が肺の働き、冬の生命力を蓄える力が腎の働きにあたります。
葉を落とした木々が雪山で寒さに耐えながら地下の根にたっぷり栄養分を蓄えてじっと春を待つように、私たち人間も冬は寒さから身を守りながら腎に生命力を蓄えようとします。腎とは人間にとって”根”のような場所であり、植物に水や肥料を与えて大切に育てるように、腎にたっぷりと生命力を蓄えることが冬の養生の重要なテーマなのです。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。