【50代のこよみ養生 Vol.5】「大雪」は冬ごもりの季節。“薬膳おやつ”で心地いいおうち時間を
12月7日は二十四節気の「大雪(たいせつ)」。冬の3番目の節気です。熊が冬眠をはじめるこの時期は、私たちも冬ごもりをしてゆったり過ごすのがおすすめ。そんな冬ごもりのおうち時間を楽しむための薬膳おやつ&ドリンクをご紹介します。
かつては人間も冬眠していた!?
12月7日からはじまる「大雪」は、20日まで続く節気。雪が積もりはじめる季節であることから、この名で呼ばれるようになりました。
大雪の次の節気は冬至。今は、一年で最も昼が短く夜が長い冬至の日(21日)に向かって夜がどんどん長くなっていますが、冬至の日を過ぎると一転して昼が長く、夜が短くなりはじめます。つまり大雪は、夜が長くなる最後の節気。夜の陰気が最も満ちている季節なのです。
そんな大雪は、熊が冬眠をはじめるときでもあります。熊は冬眠中に体重が20~30%も減少するので、そのぶんのエネルギーを体内に蓄えるために秋頃から食欲が旺盛に。熊が食糧を求めて民家に出没するニュースも、秋頃から多くなりますよね。昨年は暖冬の影響で熊の冬眠時期が遅れましたが、今年は例年どおりこのタイミングで冬眠できると、熊にとっても人間にとってもいいことなのでしょう。
そもそも冬眠とは、冬に食糧の確保が難しくなる動物たちが代謝を低下させてエネルギー消費を極限まで抑え、体を休眠状態にして冬を乗り切ろうとする生存本能。熊以外の哺乳類ではヤマネ、コウモリ、リス、ネズミなどに冬眠する動物がいます。
人間は、もちろん冬眠しません。が、ある研究では、ネアンデルタール人の祖先にあたる古代人類の骨に冬眠する生物ならではの特徴が見つかり、人類はかつて冬眠していた可能性があるという報告がされているそうです。私たちも秋に食欲が旺盛になり、冬になると代謝が低下して脂肪がつきやすくなりますが、もしかしたら遠い祖先の生存本能の名残り・・・かもしれませんね。
そんな人類の冬眠について知ってか知らずか、古くから東洋医学では「冬は生命力を蓄える季節」とされています。森の動物たちが栄養をたっぷり蓄えて冬眠しはじめる大雪の節気は、私たち人間も心身をゆっくり休ませて冬ごもりの時間を楽しむことが養生となるのです。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。