【50代のこよみ養生 Vol.5】「大雪」は冬ごもりの季節。“薬膳おやつ”で心地いいおうち時間を
おうち時間を心地よく過ごす、不調別薬膳おやつ&ドリンク
薬膳おやつは、気になる不調に応じてメインで使用されている食材で選び分けるのがおすすめです。ここではこの時期に多い不調別に、着目したい食材と薬膳おやつの選び方、さらに組み合わせるとより効果的なお茶やドリンクをご紹介していきます。飲みものはホットで飲んでくださいね。
◉冷え
体を温める食材である、くるみ、もち米、黒砂糖、シナモン、さけ、あじ、えびなどをメインに使用したおやつを選びましょう。黒糖くるみ、くるみだれのもち、きなこもち、さけとば、おつまみの焼きあじや焼きえびなどがおすすめです。きなこもちは、きなこにシナモンパウダーを加えるとより体を温めるおやつに。お茶は、体を温める作用が強い紅茶、シナモンティー、プーアール茶などを組み合わせるといいでしょう。
◉疲れ
疲れがとれない原因は、気(き=エネルギー)の不足。気を補う食材であるもち米、栗、さつまいも、かぼちゃ、なつめなどを使用したおやつを選ぶと疲労回復につながります。きなこもち、ずんだもち、甘栗、焼き栗、焼きいも、干しいも、大学いも、かぼちゃチップス、ドライなつめなどがおすすめ。お茶は、疲労回復に役立つはちみつを使ったはちみつ紅茶、気のめぐりをよくするジャスミンティーなどが適しています。
◉むくみ
水分代謝が滞りがちな冬はむくみやすい季節。水分のめぐりをよくする豆類、とうもろこし、海藻類などを使用したおやつが適しています。豆類のおやつといえばあんこが思い浮かびますが、大福、おはぎ、だんごなどのもち米を多く使用したお菓子は控えましょう。また、塩分も控えめに。おすすめはどら焼き、たい焼き、大判焼き、素煎り大豆やきなこ大豆などの豆菓子、ポップコーン、わかめせんべい、おやつ昆布など。お茶は黒豆茶、コーン茶、とうもろこしのひげ茶などを組み合わせるといいでしょう。
◉乾燥
肌や髪、のどなどの乾燥が気になるときは、体に潤いを補う白ごま、黒ごま、たまご、チーズ、レーズン、ピーナッツ、梅、クコの実などを使ったおやつを選びましょう。ごまだんご、ごませんべい、黒ごまプリン、カスタードプリン、ひとくちチーズ、ミックスレーズン、バターピーナッツ、干し梅、ドライクコの実などがあります。お茶は黒豆茶、そのほかの飲みものではホットミルクやホット豆乳、甘酒などがおすすめです。
◉ストレス
ストレスがたまっていると感じるのは、気のめぐりが滞っている状態。気のめぐりをよくするかんきつ類(特に皮)、そば粉や、精神的なイライラを落ち着かせる小麦、なつめなどを使ったおやつがおすすめです。ドライみかんやゆずピールなどかんきつ類の皮を乾燥させたお菓子、みかんゼリー、オレンジゼリー、オレンジパウンドケーキ、そば粉クッキー、ドライなつめなどを選ぶといいでしょう。みかんやオレンジなどをそのまま食べるのももちろんOK。お茶はジャスミンティーやミントティーなどを組み合わせて。
市販のおやつでも、上手に選べばさまざまな薬膳効果が期待できます。とはいえ、あくまでもおやつなので食べすぎにはご注意を。夜の長さが極まりつつある大雪のおうち時間は、薬膳おやつとともにゆったりとくつろいでお過ごしください。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。