【勝地 涼さん × 皆川猿時さん】
「対等に認め合い、お互いをおおらかに受け入れる」
再会した瞬間、離れていた距離と時間がたちどころに消え、親しみだけが増していく……。
愉快な作品で共演を重ねて友情を育んできた勝地涼さんと皆川猿時さんも、そんな素敵な関係のよう。年齢の差を意識せず、対等に認め合い、お互いをおおらかに受け入れる。
その姿勢、見習わなくては。
勝地 涼さん(以下、勝地) 今回の公演、宮藤(官九郎)さんは「たまにはラクをさせていただこう」ということらしいんですが、コント6本って、ぜんぜんラクできないですよね。出演者6人全員が6本全部に出ますし、むしろハードじゃないですか?
皆川猿時さん(以下、皆川) そうだよねぇ。途中でちょっと、楽屋で横になって休めるといいんだけど(笑)。勝地は早着替えも多いし、大変だと思うなぁ。
勝地 ちょっとやってみたら、まったく間に合わないんじゃないかってところがあるんですけど(笑)。大丈夫かなぁ。
皆川 でも、前回出演した「ウーマンリブ」はすごく楽しくて、お客さんもよく笑ってた。いいイメージしかないから、今回もきっといけるんじゃないかと思います(笑)。
初めて共演した時からおもしろすぎて目が離せなかったです
勝地 僕は久しぶりに共演できて嬉しいです。初めてご一緒した舞台では皆川さんから目が離せなかったんですよ。おもしろすぎて。
皆川 えー、そう?
勝地 「ここはおもしろいよ」っていうところ以外も、ずっと。話の中心が移って、傍にいる時でも、皆川さんはいるだけでずっとおもしろくて、すごいなぁって。
皆川 違う違う、何かね……恥ずかしいんですよ。舞台にいて何もしていない状態が。サービス精神とかじゃなくて、ただ立ってるだけだと裸でいるみたいな気持ちになっちゃうの。芝居してないとどんどん透けちゃう、特殊な生地の衣装だから(笑)。
勝地 ハハハ。だから「何かやっとかないと!」って思うんだ。あの頃は本番が終わったら皆でごはんに行って、地方公演に行くと、なぜか皆川さんの部屋で飲むっていうのがお約束で。皆川さん、「もういいよ、ここ、好きに使ってー!」って、自分のベッドの上にお菓子、広げちゃうし。
皆川 学園ものだったせいか、みんな仲よかったからね。ちょうど『あまちゃん』(2013年放送)が終わってすぐの舞台だったから、勝地はまだ「前髪クネ男」って呼ばれてて。でもあのドラマ、今思うと、ちょっとした放送事故だったよね。
勝地 (キッパリ)事故でしたね。朝ドラなのに、普通、あれはない。
皆川 まあ事故の代表が僕だったんだけど(笑)。舞台と同じテンションで芝居してましたから。お茶の間に受け入れてもらえたってことは、世の中が相当おかしかったんだろうね。あの時のLINEグループがまだ残ってて、この間も勝地から「今、○○さんと一緒です」ってメッセージがあって、続いて動画で「今日、勝地、誕生日なのー!」って。
勝地 「おめでとうって言ってほしいなー!」 って(笑)。作品のテイストにもよりますけど、こんなふうに現場の人間関係がいいっていうのは、ありがたいです。
「バカだなぁ」それって最高の褒め言葉だよ
皆川 今回の稽古場の勝地の印象は……あの頃から変わんねぇな、って感じ。
勝地 え、成長してないですか?
皆川 いやいや、それがいいんじゃない?だって、歳とっていくと、ちゃんと深みが出てくるっていうか……見る人が勝手に「勝地、もういい歳なんでしょ」みたいに思ってくれるじゃないですか。
勝地 確かに、20代の頃は街歩いてても「ウェーイ、前髪クネ男!」って笑われてましたけど、最近、サウナ行くと、知らないおじさんが「いろいろあるよな」って言ってくれたりして……あっ、これ書かなくていいです からね!(笑)。言われてみれば、そうか、そういうことなのか。
皆川 ハハハ。ずっとバカでいてねって思います。だって、最高じゃない? バカって、俺たちにとっちゃ褒め言葉ですから。
勝地 そうですよね。「バカ力(りょく)」って言いますもんね。
皆川 言う? 俺、そんな言葉、今初めて聞いたよ(笑)。え? ほんと? 言う?
勝地 言いますよ! だから僕もバカ力で頑張りますけど、皆川さんも頑張ってくださいね。今回、場面によっては息上がってますから。
皆川 そうそう、そうなんだよなぁ……免疫力、上げていかないと。
〔 舞台 〕
ウーマンリブvol.16
『主婦 米田時江の免疫力がアップするコント6本』
宮藤官九郎が「何物にもとらわれず、今やりたいことを自由に、ストレートに」表現する舞台「ウーマンリブ」。シリーズ最新作は、小さな幸せを喜び小さな不幸を嘆く平凡な主婦・米田時江の奇妙な日々を綴った6本のオムニバスコント。ちなみに最近、免疫力を高めるために取り組んでいることは、勝地さんは「サウナ」、皆川さんは「ヨガ」。東京に続いて大阪公演あり。
作・演出:宮藤官九郎
出演:片桐はいり 勝地 涼 皆川猿時
伊勢志摩 北 香那 宮藤官九郎
東京公演: 公演中〜12月15日(日) ザ・スズナリ
大阪公演: 12月18日(水)〜12月22日(日) 松下IMPホール
俳優・勝地 涼さん
1986年生まれ。2000年に俳優デビューののち、ドラマ、映画、舞台、声の出演、音楽活動と幅広く活躍。最近の出演作にドラマプレミアム『終りに見た街』、舞台『ハザカイキ』などがある。
俳優・皆川猿時さん
1971年生まれ。94年より大人計画に参加。映像や舞台に出演しつつ、バンド「グループ魂」で音楽活動も。最近の出演作に舞台『ふくすけ2024―歌舞伎町黙示録―』、映画『ふれる。』など。
撮影/古家佑実[SORANE] スタイリング/梶原浩敬 ヘアメイク/大和田一美[APREA] 文/大谷道子
大人のおしゃれ手帖2024年12月号より抜粋
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