包丁は月に一度は研ぐべし⁉ 「大阪・堺」の食文化と包丁を学ぶ【上方食文化研究會・Wあさこの大人の社会見学 vol.2】
堺出身の文化スター、千利休&与謝野晶子の功績を辿る「さかい利晶の杜」
「さかい利晶の杜」の“利”は千利休から、“晶”は与謝野晶子に由来します。ふたりの共通点は、そう! 堺出身ということ。通常展では、時代は違えど「さかい利晶の杜」の半径500m以内で生まれ育った利休さんと晶子さん、ふたりの功績を学ぶことができるんです。
利休さん登場以前からの堺とお茶の歴史を学べるのが「千利休茶の湯館」。こちらは、利休さんが69歳のときに開催したお茶会で供された食事を再現したもの。左のお膳には「串鮑(くしあわび)」「鮒の膾(なます)」「ミソヤキ汁」「飯」、右は菓子として「フノヤキ」「シイタケ」。「フノヤキ」は小麦のフスマで作った一種の小餅だそうです。
どうも、食品サンプルってものが好きなんですよね……私。どんな味したんだろうなぁ、と麻子先生と話しながら、じーっと見入ってしまいました。
シイタケが菓子。どうも「菓子」という言葉の意味合いも、今と昔では違いそうですね。
堺の老舗和菓子屋「駿河屋」に生まれ、店番をしつつ和歌を投稿するようになった晶子さん。歌を通して出会った与謝野鉄幹と結婚、12人の子を出産・子育てしつつ精力的に作品を発表、今でいうフェミニズムの運動に参加したり、海外にも出かけたりと、とにかくアグレッシブ。
そんな与謝野晶子さんの代表作といえば『みだれ髪』。
「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」
「むねの清水あふれてつひに濁りけり君も罪の子我も罪の子」
「くろ髪の千すぢの髪のみだれ髪かつおもひみだれおもひみだるる」
「人の子の恋をもとむる唇に毒ある蜜をわれぬらむ願ひ」
今読んでもそのストレートさにドキドキするような歌ばかり。レトロな装丁も美しいので、一堂に会している発刊当時の作品集のデザインを眺めるだけでも、訪れがいがあります。
さかい利晶の杜のお隣にある「梅の花 さかい利晶の杜店」には、利休さんと晶子さんにちなんだオリジナルメニュー「利晶」をいただくことができます。矢内先生も監修に関わったそう。
ただし、3日前までに要予約とのことで、残念ながらWあさこは取材当日にはお味は確かめられず……次に堺を訪れるときには、ぜひトライしたいです。
さかい利晶の杜について詳しくはこちらから!
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