【50代のこよみ養生 Vol.6】記憶力もUP!冬のつらいメンタルをケアする薬膳&ツボ押し
読書や映画鑑賞で心を豊かにして恐怖心をやわらげよう
いくら本能的な反応とはいえ、恐怖心が強くなりすぎて不安が消えなかったり眠れなかったりするのはつらいものです。恐怖心をやわらげたいときや未然に防ぎたいときは、次の五志の関係性を活かして恐怖心を抑える方法を試してみてください。
・喜びは、悲しみを抑える
・悲しみは、怒りを抑える
・怒りは、思慮を抑える
・思慮は、恐れを抑える
・恐れは、喜びを抑える
これは五志それぞれの“抑制し合う関係性”を表したもので、このうち恐怖心を抑えるのは「思慮」。思慮は思い悩む感情なのですが、ポジティブに言い換えると「精神を集中させて考えること」となります。恐怖心は漠然とした不安感からくる感情であり、思考をめぐらせて分析的に考えると感情が整理されるので、恐怖心をやわらげる助けとなるのです。
そこでこの時期は、本や映画、アートなどを意識を集中して鑑賞し、考察することを楽しんでみてください。この時期は心のベクトルが内向きで集中力や思考力が高まっているときなので、その力を活かして鑑賞を楽しみ、よく味わって考えることが恐怖心をやわらげていきます。考察といっても難しく考えずに、まずは感想をメモするだけでもOK。メモをすることでいろんな考えがひらめいていき、考察が深まっていくこともあるものです。鑑賞する対象はアート作品に限らず、ノンフィクションやドキュメンタリーなどでもいいですね。そうやってこの時期に感じたり考えたりしたことは、心に深く刻まれて、恐怖心を軽くするだけでなく感性を豊かにしてくれるはずです。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。