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大人のおしゃれ手帖 2月号

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2025年2月号

2025年1月7日(火)発売
特別価格:1480円(税込) 
表紙の人:鈴木京香さん

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モデル・山 葉子さんに聞く
自分の感情、感覚、思考を求めてたどり着いた「今」
タロット・カウンセラーとしても活躍

大人のおしゃれ手帖編集部

モデル・山 葉子さんに聞く 自分の感情、感覚、思考を求めてたどり着いた「今」 タロット・カウンセラーとしても活躍

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「自分探し」という言葉から駆り立てられるように「自分」の軸を探したけれど、朧げながら軸が見えてきた今、また私の中に、いくつかの“ワタシ”が生まれている。
軸から過去に戻って、軸から派生して、軸から未来に向かって。
探すというより、私とワタシを創っていけばいいのかもしれない。

今回話を伺ったのは・・・
モデル&俳優
山 葉子さん
5歳からファッション誌の専属モデルとして活躍。その後、出産、子育てを経て、モデル、俳優としての活動を再開。20代半ばに自身の助けとなったタロットを独学で深め、コロナ禍よりタロットから読み解いたメッセージをメディアプラットフォーム・noteで音声配信したところ、反響を得る。以降、タロットカウンセラーとして、オンラインサロン「ヨーコさんの部屋」や、自己対話法を伝えるコミュニティ「ゆるココ☆ストレッチ」を開設。タロット講座の講師や、個人セッションなども行い、自己対話を通じて自らの力で幸せに生きるためのメッセージを伝えている。月刊誌『天然生活』(扶桑社)にて連載「ハレとケの日の自分育て」を担当。
Instagram:@yoko.yama_official


モデル・山 葉子さんに聞く 自分の感情、感覚、思考を求めてたどり着いた「今」 タロット・カウンセラーとしても活躍

「朗らかな佇まいのなかの凛とした意志。葉子さんの人間力を信頼しています」。

この日は某ECメディアの撮影。担当の編集者に、山葉子さんにモデルを依頼している理由を尋ねると、そう話してくれた。葉子さんは想定するシーンを静かに聞いたあと、「こうするといいかな」と少し提案して、カメラの前に立った。

空気が一変し、漂う存在感に思わず息をのんだ。人間力とは一朝一夕に身につくわけもなく、いまここまでの歩み方にある。葉子さんがモデルとしてデビューしたのは、15歳のとき。ファッション誌「mcSister」の専属モデルオ ーディションに、4千人の中から選ばれた。

「姉が読んでいた雑誌を見て母が写真を送って。運がよかったのでしょうね」。
モデルという仕事を知らないまま、突然華やかな世界に足を踏み入れたと葉子さん。人前に立つことは楽しかったが、次第に心が蝕まれていったという。

「カメラの前で、笑ってと言われても内面的なストーリーを考えないと笑えなくて。小さい頃から世界の真理とか生きる意味とか考えちゃうタイプだったんです。でも周りの子たちは呼吸するように普通に笑える。なんで自分はできないんだろうと思っているうちに心が病み、摂食障害になって。しがみつきながら20歳まで続けました」。

変化を起こすことは、舗装されていない道を走るように困難が伴う。
葉子さんは20歳でモデルを休止。留学へと舵を切り、もがき揺らぎ、安寧を求めて結婚、出産。そして離婚してシングルマザーとなった。

当時を振り返りながら、「心が満たされる日はたまにしかなかった」と葉子さんは言うが、小さな命の誕生は芽吹になっていた。
覚悟を決めて、息子が大きくなる前に心を治そうと、もう一度「わたし」というスタート地点に立ったのだ。

心の助けとしてタロットを引き、カードの意味を独学で学び始めたのもこの頃。
パートやアルバイトで生計をたてながら、子供と一歩ずつ前へ進み始める。29歳のときには俳優・柄本明の存在感に魅かれ、劇団東京乾電池の研究所の門をたたいた。

モデル・山 葉子さんに聞く 自分の感情、感覚、思考を求めてたどり着いた「今」 タロット・カウンセラーとしても活躍

「立っているだけで何かを語る人に、どうしたらなれるんだろうと。でも研究所では何も教えてくれないし、演技するほどダメ出しが飛ぶ。いい意味で修行。答えは自分の中にしかないという教えをいただきました」。

自分の感情、感覚、思考――。認めることが、自分を癒し、ブレない自分をつくる。そうして、カラカラだった土壌に少しずつ水をまいているうちに、葉子さんの立つ地面は肥沃な土になっていったのだろう。

30歳を過ぎた頃からまた、演じる仕事やモデルの仕事の声がかかり始めた。
そして世はコロナ禍。

予定が一旦白紙になり不安もあったが、「試しにタロットを引いたら、コロナは世の中を捉え直す良い時間にもなると受け取れた」と葉子さん。

そのメッセージを不安に思っている人へ届けたいという思いから、SNS・noteで発信し始めたという。思いがけずたくさんの人から感謝の言葉が届き、その期待に応えるために、セミナーやサロンを整えていくうちに、タロット・カウンセラーとしての役目が生まれたのだった。

いま改めて、2020年5月のnoteの音声を聞いてみる。葉子さんは感覚と感情の記憶をたぐり寄せながら、カードのメッセージをゆっくりと言葉にする。

人生を耕してきたからこその、土壌から生まれた言葉で語りかける。聞いているこちらにも自然と自己対話が始まり、それは前向きに生きるための種になる。

「孤独だった時代、私自身が切望していたことを重ねているのかもしれないです」。そして今、葉子さんはモデル、俳優、タロット・カウンセラーとして人の前に立っている。

「どちらも自分を一旦ゼロにするという感覚。モデルの場合はどうやってこの服を誰かに届けて幸せになってもらうか、タロットの場合はどうやってこのメッセージを届けて幸せになってもらうか。つまり、黒子なんです」。

つまり、どこまでも、表現者なのだった。葉子さんを通って発せられる、言葉、声、身体の表現をこれからも待っていたい。


〔タロット〕起源は諸説あるが、有力なものとして、中世ヨーロッパで貴族たちの遊戯カードとして広まったとされている。ランダムに引いたカードの絵柄から神秘的なメッセージを読み解き、世の中をより良く生きるための知恵を得るための道具だった。

〔mcSister(エムシーシスター) 〕1966〜2002年に婦人画報社(現ハースト婦人画報社)より発行されていた10代の女子向けのファッション誌。年に一度、専属モデルを一般から応募し、タレントや女優の登竜門的存在でもあった。

〔note〕誰もが音声、文章、画像、動画などの創作を楽しみ、コンテンツを発信できるメディアプラットフォーム。https://note.com/
山葉子さんのnoteは「お空からのメッセージ」。


編集&文/竹田理紀[mineO-sha] 撮影/ 山根 晋

大人のおしゃれ手帖2025年1月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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