アートに会いに
『特別展アリス ―へんてこりん、へんてこりんな世界―』
少女の頃、誰もが胸をときめかせたに違いないアリスの世界。
その魅力をあらゆる側面から楽しむ展覧会が開催されています。大人になって再び、その世界に魅了されること、間違いありません。
アーティストたちの想像力を掻き立てたアリスの深い世界へ…
世代を超え、世界中で愛される名作は、児童文学の枠を超え160年にわたり、映画、アート、ファッションまでさまざまな分野に影響を及ぼしています。
その魅力を網羅した大規模な展覧会が東京・大阪で開催されます。
お茶会やチェス盤など物語でおなじみの場面を旅しながら、自分がアリスになったかのように感じることができる、体験的で没入感のある展覧会に。
展示作品の中から注目の作品として、本展企画元のヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A、英国)学芸員のケイト・ベイリーさんが挙げたのは、サルバドール・ダリの『不思議の国のアリス』より「狂ったお茶会」。
アリスは少女ではなく女性として、黒インクで遊び心たっぷりに描かれています。
ダリおなじみの溶ける時計というモチーフの下におり、お茶会のテーブルはチョウに囲まれています。
「ダリの夢のような作品を通して、色彩の爆発、視点と空間の変換を見ることができ、彼のキャラクターの解釈は心を揺さぶる幻想的なものです。ダリの作品は、アリスの物語がシュルレアリストの風景にどのように想像されたか、そのダイナミズムを本当に変えています。ジョン・テニエルによる『最初のアリス』の原画と同時に、シュルレアリストが再創造したアリスを見ることができるのは、とても興味深く、すばらしいことだと思います」
トップ掲載作品:不思議の国のアリス/狂ったお茶会、サルバドール・ダリ、1969年、V&A内ナショナル・アート図書館所蔵© Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR Tokyo, 2022 E4795. Victoria and Albert Museum,LondonV
教えてくれたのは・・・
V&A学芸員
ケイト・ベイリー先生
V&A「シアター・アンド・パフォーマンス」部門の主任学芸員かつプロデューサー。新規開館の博物館や展覧会のデザイン、展示コンテンツ開発に20年以上携わり、これまでに全英舞台デザイナー協会と共同で現代パフォーマンスのデザイン展示を4度企画している。
『特別展アリス ―へんてこりん、へんてこりんな世界―』
Place:森アーツセンターギャラリー
Date:開催中~10月10日(月・祝)まで
Open:10:00~20:00(月・火・水曜~18:00、※9/19、10/10は~20:00最終入館は閉館30分前まで) Close:会期中無休050-5541-8600(9:00~20:00 / ハローダイヤル)https://alice.exhibit.jp※12月10日(土)~2023年3月5日(日)大阪・あべのハルカス美術館で開催
大人のおしゃれ手帖2022年9月号より抜粋
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