【免疫力アップのカギ】
腸の要「短鎖脂肪酸」を
効率よくつくる6つのルール
腸によいと注目を集めている短鎖脂肪酸。
腸内の免疫機能を活性化させる働きもあるといわれています。
その短鎖脂肪酸を効率的につくる、ベストな腸活法について掘り下げます。
教えてくれたのは・・・
摂南大学農学部応用生物科学科教授
井上 亮先生
2020年から現職。腸内細菌や腸管免疫などさまざまな角度から腸の機能を研究。日本人の腸内細菌叢をデータベース化し、日本人は5タイプに分類できることを発表(京都府立医科大学との共同研究)。
よい腸内細菌がつくる「短鎖脂肪酸」が腸活の要
多くの種類がある腸内細菌。中でも体にいい影響を与える腸内細菌が、エサとなる食物繊維を分解する際にできる物質が「短鎖脂肪酸」です。
この短鎖脂肪酸が、肥満を防いだり、食後の血糖値を下げたり、免疫機能を活性化するなど多様な効果をもつことがわかってきました。
「主要な短鎖脂肪酸は『酢酸』、『プロピオン酸』、『酪酸』で、乳製品やお酢などにも含まれていますが、食品から摂取しても胃や小腸で吸収されてしまうため、大腸にはほとんど届きません」
では大腸で働く短鎖脂肪酸はどうつくるのかというと「腸の中で腸内細菌によってつくられる」と井上先生はいいます。
「これらをつくるには、短鎖脂肪酸を産生する有用菌を増やすこと。またその有用菌のエサとなる『発酵性食物繊維』を継続的にとることが大事です」
発酵性食物繊維とは、腸内細菌によって腸内で発酵(分解や代謝)できる食物繊維のこと。「発酵食品」とは異なります。食物繊維は「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」に分類されますが、腸内細菌が発酵できるものは水溶性食物繊維に多いのが特徴です。
「発酵性食物繊維の中でも、豆やいも。糖質が多いと避ける人もいますが大切な食材です。また、穀物は食物繊維の量を増やすのに便利です。
そのほか、海草や根菜類、果物にも含まれています。一方、砂糖や塩、飽和脂肪酸の〝とりすぎ〟は腸内フローラに悪影響を与えることがわかっています」
摂取量や種類を増やしたり菌が育ちやすい工夫を
日本人は食物繊維の摂取量が長年足りておらず、摂取量を増やすことは重要です。また、それとともに、種類を増やしたり食べ方も大切であると井上先生。
「短鎖脂肪酸は、ひとつの菌が単独でつくるのではなく、ある菌がつくった代謝物をエサに、別の菌がまた違う成分を生み……と、いくつかの菌の働きが連携してたどり着きます。
互いに作用し合うことで、健康を保つことができるのです。腸内細菌は、種類ごとにエサの好みが違うので、エサとなる食物繊維の種類も多いほうがいいのです」
また、菌とエサの両方を一緒に腸に送る『シンバイオティクス』も、効率よく菌を育てる方法として話題になっています。
さらに腸活は、食事だけではありません。睡眠リズムを整える、ストレスをためない、適度な運動を行う、といった生活習慣も腸内環境の改善につながります。
暮らし全般を整え、自分にベストな腸活を行ってください。
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