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大人のおしゃれ手帖 3月号

大人のおしゃれ手帖

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大人のおしゃれ手帖
2025年3月号

2025年2月7日(金)発売
特別価格:1530円(税込) 
表紙の人:吉田羊さん

2025年3月号

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大阪最高峰のグルメを学び味わう! 「大阪歴史博物館」と日本料理「伏見町 栫山」【上方食文化研究會・Wあさこの大人の社会科見学 vol.3】

ふなつあさこ

江戸時代のナニワセレブたちは何食べてた? アッと驚く超美食!

《『浪花名所図会』堂島米あきない》

蔵に収められていたのは、主にお米。日本では長らくお米が税金の代わりだったので、お米の集まるところというのはつまり経済の中心。ちなみに、お米を運ぶのは重くて大変なので、江戸時代の米市場では小切手ならぬ「米切手」で取引が行われていたそうです。江戸時代の堂島米市場の様子を描いた歌川広重の浮世絵のどこにも米俵は描かれていません。ですから、米市場は今なら証券取引所のようなもの。ここでの米相場が日本全国に伝えられました。米相場が荒れれば、日本全体の経済状態も荒れていました。ここのところお米が高いですから、通ずる部分がありますね。

《川口遊里図屏風(かわぐちゆうりずびょうぶ)》

当時の大阪に集まるセレブたちの暮らしぶりをうかがい知ることができるのが、かつて大阪の木津川河口周辺にあった遊郭を描いた江戸時代前期の屏風絵。今年の大河ドラマの舞台は江戸・吉原が舞台ですが、大阪にも同じようなオトナの社交場が設けられていたんですね。この屏風をよく見てみると、皆さんなんだかおいしそうなものを食べています。いろいろな形の包丁を使い分け、野菜や魚介、鳥まで幅広い食材をさばいていることがわかります。餅のようなものをこねていたり、お菓子も食べていたようです。

そのほか、当時のゴミ捨て場からは、アカニシやアワビの貝殻、タイやスッポンの骨など、食べたものの残骸が見つかっています。結構ええもん食べてはる(ただし金持ちに限る、だったとは思いますが)。

日本国内の地方はもとより、ヨーロッパを含む海外からの食器(江戸時代後期になるとワインも!)や沖縄から運ばれてきた泡盛の容器なんかも出土しているので、幅広い地域と交易が行われていたこと、そしておそらくそれらはみんな高価だったことを考えると、このエリアにどれほどのモノと富が集まっていたのか……! 妄想は膨らみますが、おなかは減りますね。

◆ 大阪歴史博物館についてはこちらから!

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編集者 ふなつあさこ

編集者ふなつあさこ

生まれも育ちも東京ながら、幼少の頃より関西(とくに奈良)に憧れ、奈良女子大学に進学。卒業後、宝島社にて編集職に就き『LOVE! 京都』はじめ関西ブランドのムックなどを手がける。2022年、結婚を機に奈良へ“Nターン”。現在はフリーランスの編集者として奈良と東京を行き来しながら働きつつ、ほんのり梵妻業もこなす日々。

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Instagram:@asa_ship

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