大阪最高峰のグルメを学び味わう! 「大阪歴史博物館」と日本料理「伏見町 栫山」【上方食文化研究會・Wあさこの大人の社会科見学 vol.3】
大名も羨む!? 大阪の美食の現在地を「伏見町 栫山」で味わう
お勉強を兼ねて、時折あちこちの名店を訪れているという麻子先生のお誘いで、船場の名店「伏見町 栫山」さんに伺いました。お店の周辺は落ち着いたビジネス街ですが、お店に一歩入れば美しい内装と心づくしのしつらいが行き届いた非日常空間。それでいてリラックスして過ごせるのは、ご主人・栫山一希さんのお人柄ゆえでしょう。ちなみに栫山さんが焼いているのはフグです。私は“上腕二頭筋”をいただきました(もちろんジョークですよ!)。
2月ということで「立春大吉」の札をかけた柊を添えた薬膳と花豆。ふっくらした大きなお豆を頰張って、福は内! 車海老やこごみなどを盛り合わせたひと皿や椀物で春の味覚をひと足早く堪能したかと思えば……
……冬の味覚を代表するカニさんの登場です。茹でたり、焼いたり、アレしたりして(雑でスイマセン、食べるのに忙しかったです)とにかく全てが感動のおいしさでございました。お料理をいただいたらスッとお皿が消えていて、そして次のひと皿がテンポよく供される。そのリズム感も大阪らしい気がします(言い訳)。そして全然言及できていませんが、魯山人写し(偉大な文化人・北大路魯山人作品の模作)など器もひとつひとつとても素敵です。
「お水取り」という通称でよく知られている東大寺・二月堂の修二会(しゅにえ。旧暦2月に営まれる大きな法要)でご本尊にお供えされる「糊こぼし」を模した椿の造花をあしらった八寸なんて、奈良LOVEな私にとってはサプライズギフトのように嬉しい♡ 五感とインテリジェンスで味わう八寸には、日本料理をいただく楽しみがギュッと詰まっている気がします。そんなこと思いつつも、フグおいしいよフグ! と、あっという間に食べ尽くしておりました……!
お料理の〆は、栫山流の「船場汁」のだし茶漬け。本来の船場汁とは、身を食べた残りの塩サバのアラと大根の汁物で、堺を訪れた際に教えていただいた“始末の料理”、つまり魚のアラまで余すところなくおいしくいただく大阪らしいお料理だそうです。栫山さんの場合、その日供した食材から引いただしなので、とても上品な“始末の料理”となっておりました。「あさちゃん、今度ほんまの船場汁作るわ〜」と麻子先生がゆうてくれはったので、その際にはまたレポートいたします!
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