【50代のこよみ養生 Vol.16】春の不眠は「肝」のケアが肝要!
夢をよく見る、眠りが浅いなどの不眠は「肝血虚(かんけっきょ)」の可能性
肝に負担がかかって肝の血を蓄える働きが低下すると、「肝血虚(かんけっきょ)」と呼ばれる状態になります。これはその字の通り、肝に蓄えられる血が不足した状態。肝血虚になると、次のような不眠の症状が現れやすくなります。
□寝つきが悪い
□眠りが浅い
□夢をよく見る
□夜中に目が覚める
そのほか、肝血虚になると目のかすみ、爪の色が白っぽい、爪がかさついてつやがない、手足のしびれ・ふるえ、関節を動かしにくいなどの不調も見られる場合があります。不眠の症状に該当するものがあり、さらにその他の不調にも該当する症状がある場合は、肝血虚の可能性が高いと言えます。
肝血虚に当てはまる場合は、まず、次のような肝の血を補う食材をよくとることがおすすめです。手軽な食べ方もあわせてご紹介します。
・レバー……不眠のほか、目の充血、視力低下などの改善にも役立ちます。レバーペースト、串焼きなどで。
・いか……不眠のほか、めまい、筋肉のけいれん、腰痛などの改善にも役立ちます。塩辛などで。
・たこ……不眠のほか、疲れ、息切れ、汗、めまいなどの改善にも役立ちます。酢のものなどで。
・ほうれんそう……不眠のほか、頭痛、めまい、目の充血などの改善にも役立ちます。おひたしやお味噌汁などで。
また、23時までに就寝することも大切です。昼間に全身をめぐっている血は、夜の睡眠時には肝に戻ります。そして肝では昼間に血中に蓄積された老廃物が解毒され、きれいな血となって蓄えられます。そして翌日になると、浄化された血が肝から再び全身をめぐるのですが、この肝による血の解毒が行われるのは深夜1〜3時で、その準備が23時からはじまっています。23時以降も起きていると肝に血が十分に戻らないため、血がきれいに解毒されず老廃物がたまりやすくなり、肝の血も不足しやすくなるのです。
23時までに眠れなくても、ベッドに入って横になっていればOK。忙しくてどうしても23時までに就寝できない場合は、23時以降は飲食をしないこと、スマホやテレビなどを見ないことを意識してください。飲食は肝の負担になり、スマホやテレビを見ることは肝の血の消耗につながります。そして、日付が変わる前にはベッドに入ることを目標にしてみましょう。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
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