【50代のこよみ養生 Vol.16】春の不眠は「肝」のケアが肝要!
興奮して眠れない、一晩中眠れないなどの不眠は「肝火上炎(かんかじょうえん)」の可能性
肝の気をめぐらせる働きが低下すると、気が滞ってしまいます。本来、気はつねにめぐり続けていなければならないのですが、その流れが悪くなって渋滞すると肝に熱が生じて心身を興奮させてしまうことに。これは「肝火上炎(かんかじょうえん)」と呼ばれる状態で、次のような不眠の症状が見られる傾向があります。
□興奮して眠れない
□夜になっても眠気を感じない
□夜中に一度目が覚めると眠れなくなる
□一晩中眠れない
□悪夢を見る
そのほか肝火上炎になると、頭痛、めまい、顔が赤い、目が充血する、イライラして怒りっぽい、口の中が苦く感じる、わきの周辺が熱くて痛いなどの不調も見られます。不眠の症状に該当するものがあり、さらにその他の不調にも該当する症状がある場合は、肝火上炎の可能性が考えられます。
肝火上炎を改善するためには、次のような肝の熱を冷ます食材をよくとることが大切です。ただし、熱を冷ますといっても冷えた状態で食べると胃腸を冷やしてしまうので、常温以上の料理で食べましょう。あえもの、蒸しもの、スープ料理などがおすすめです。
・トマト……不眠のほか、高血圧、のどの渇き、口の中が苦い、鼻血などの改善にも役立ちます。あえもの、スープなどで。
・セロリ……不眠のほか、頭痛、顔が赤い、目の充血、口の中が苦い、鼻血などの改善にも役立ちます。あえもの、スープなどで。
・ミント……不眠のほか、頭痛、目の充血、胸やわきの痛み、イライラなどの改善にも役立ちます。ミントティーなどで。
・菊花……不眠のほか、頭痛、めまい、目の充血と張りを伴う痛み、視力低下などの改善にも役立ちます。菊花茶などで。
また、飲酒や喫煙、辛いものの食べすぎなども、肝に熱をためてしまう原因となるので控えめに。寝る前にわき下のストレッチやマッサージを行うことも、不眠の改善を助けます。
なお、肝の熱は肝の血を消耗するため、肝火上炎が肝血虚を招くこともあります。そのため、肝血虚と肝火上炎、どちらも当てはまる人もいると思います。その場合は両方のセルフケアをとり入れてみてください。
そして、肝血虚と肝火上炎ともに共通する原因となるのがストレスです。春は特に心身がストレスの影響を受けやすい季節なので、しっかり休養をとることも忘れないでください。
画像素材/PIXTA
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
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