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大人のおしゃれ手帖 10月号

大人のおしゃれ手帖

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大人のおしゃれ手帖
2022年10月号

2022年9月7日(水)発売
特別価格:1120円(税込)
表紙の人:吉田羊さん

2022年10月号

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2022.08

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五感で楽しむ涼のある暮らし
〜東川裕子さんの場合〜

蒸し暑い夏。
日本では昔から、五感に作用するしつらえを通じて涼をとる習慣がありました。

目で見て涼やかなものに、手で触ってさらりとしたものに。
夏を楽しむ暮らしの知恵をご紹介します。

グラフィックデザイナー
東川裕子さんの暮らし

縁側に座ると青々としげる木々の緑が目に入り、すーっと心地いい風が抜けていく──。
築100年以上の古民家を借り、自身の仕事場と木工作家の夫のショールームとして改装したのを機に、工芸やアートを扱うギャラリーを始めた東川さん。
約12年前、それまで7年間を過ごしたミラノから一転、神奈川県の藤野に引っ越してきました。

「都会の暮らしに疲れてしまって。
帰国して住むなら田舎がいいなと。
埼玉や千葉でも家を探しながら、この場所に行き着きました」

山間にある家ということもありますが、伝統的な日本建築の様式を持つ古民家だけに、季節の変化を肌で感じるようになったといいます。

「開口部がとにかく広い作りなので、外の景色も目に入りますし、夏は風が通る。
日本の家には夏を乗り切る知恵が詰まっていると実感しましたね」

エアコンがない家なので、夏になるとお客様のためにもうちわを置いたり、窓を開け放しているので蚊取り線香を焚いたり。
肌に触れる座布団も、植物の皮でできたさらりとした肌触りのものに変えています。

「緑が青くなってきたなとか、気温が上がってきたなとか、季節をしっかり感じるからこそ、しつらえを変えようと思えるんです」

江戸時代から工芸品として受け継がれる渋うちわは、熊本の栗川商店のもの。

ババグーリの香取線香ホルダー。上部の穴からでる煙の動きでも風を感じる。

夏だからこその涼やかな小物を楽しむ時間

「夏になると友人たちと、お店の庭や近くの川などで冷酒を飲むのも好きですね。
涼やかな染付や白磁の酒器だけをカゴに入れて、それぞれ好きな酒器を選んでもらうのも楽しいですよ」

ほかにも白い器の出番を増やしたり、ガラスのアクセサリーを身に付けたり。
タオルをパイルから麻に変えるなど、夏ならではの模様替えも楽しいと東川さん。

「実は飼い猫の座布団カバーもウールから麻に変えてます(笑)。
最近、季節の境目が曖昧になっていますが、夏はしっかりコントラストのある時期。
暮らしに季節感を取り入れるにはいい季節だと思います」

食卓を白×ガラスにするだけでもこんなに涼しげ。
小皿と鉢は山本亮平さん作。
うっすら入った藍色の絵付けがお気に入り。
オーバルは棚橋祐介さんの器。
ガラスの小鉢はフランスのアンティーク。
奥の白い器はイケアで。

夏にはタオルも模様替え。
何年も使っている中川政七商店の麻の蚊帳生地のタオル。

「さらりとしていて吸水性や速乾性が高くて、夏場には最適です。
経年で麻が柔らかくなってふんわりしました」

土屋琴さんのガラスペン。

「そろそろちゃんとしたペンが欲しいと思っていたときに、彼女の作品に出会ったんです」

ペーパーウェイトもガラス(熊谷峻さんと伊藤敦子さんのコラボレーション)。
ガラスの中に銀の破片を入れ、その化学変化がこのブルーを生んでいる。

友人たちと集まった時は、銘々酒器を選んで冷酒パーティー。

「土ものも持っていますがこの時期は染付や白磁に。
手触りがひんやり気持ちいいですね」

アクセサリー作家、猪野屋牧子さんのガラスのリング。
実は一度リングの部分が割れてしまったが、修理してもらった。
そんな風につき合えるのも手仕事のよさ。


撮影/下村しのぶ 文・編集/竹田理紀[mineO-sha]

※大人のおしゃれ手帖2019年9月号をもとに再編集
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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