【50代のこよみ養生 Vol.23】9種類もある頭痛!それぞれの原因と予防法、おすすめの漢方薬は?
「外感頭痛」は暑さや寒さ、湿気などが原因で発症する
①~③の外感頭痛は、体外から侵入する原因を感受して発症するため「外感」と呼ばれています。基本的にはかぜにともなう急性の頭痛が多く、次の3つの種類があります。
◆ ①の熱っぽく張るように痛む頭痛は「風熱頭痛(ふうねつずつう)」
外界から熱が体内に侵入して気(き=エネルギー)や血(けつ≒血液)の流れを乱すことによって生じる頭痛で、春~秋に起こることが多い症状。熱っぽく張るような痛みが特徴で、頭が裂けるように痛む場合もあります。風熱頭痛は体内の水分が不足している体質の人に起こりやすいので、水分不足を招く夜ふかしやストレスなどを避けることが予防策に。薬膳で予防や改善をする場合は、菊花、ミント、セロリ、豆腐、緑茶などの体内の熱を冷ます食材をよくとりましょう。漢方薬では荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)などが用いられます。
◆ ②の後頭部から首すじにかけて痛む頭痛は「風寒頭痛(ふうかんずつう)」
外界の寒気が体内に侵入して生じる頭痛で、寒気で冷えることによって気と血のめぐりが停滞するために痛みが起こるもの。冬に発症しやすく、後頭部から首すじにかけて痛み、くしゃみ、鼻水、悪寒などをともなうことが多いです。風寒頭痛を予防するには、体を冷やさないこと、特に首周りに風が当たらないように防寒することが大切。薬膳で予防や改善をする場合は、しょうが、ねぎ、しそ、みょうがなどの辛味食材を用いて、発汗作用で寒気を体外に発散します。漢方薬では葛根湯(かっこんとう)、麻黄湯(まおうとう)、桂枝湯(けいしとう)などが用いられます。
◆ ③の重く締めつけられるように痛む頭痛は「風湿頭痛(ふうしつずつう)」
外界の湿度に影響を受けて生じる頭痛で、梅雨の季節に多く発生します。湿気が体内に侵入して頭部の気を包み込むため、重く締めつけられるような痛みが起こるのが特徴。風湿頭痛は体内に余分な水分がたまっている人に起こりやすいので、水分がたまる原因となる甘いものや脂っこいものを控えめにすることが予防策に。薬膳で予防や改善をする場合は、体内の余分な湿気を体外に発散するしょうが、ねぎ、しそ、パクチーなどを積極的に食べるといいでしょう。漢方薬では藿香正気散(かっこうしょうきさん)などが用いられます。
この記事を書いた人
国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO
健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。
Twitter:@MomoOtsubo
Website:https://toyoigaku-shizen.com/
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