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大人のおしゃれ手帖 5月号

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大人のおしゃれ手帖
2025年5月号

2025年4月7日(月)発売
特別価格:1480円(税込) 
表紙の人:吉瀬美智子さん

2025年5月号

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【50代のこよみ養生 Vol.23】9種類もある頭痛!それぞれの原因と予防法、おすすめの漢方薬は?

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「内傷頭痛」は気・血・水の異常や五臓の不調が原因

④~⑨の内傷頭痛は、体内の気、血、水(すい=水分)の異常や、五臓の不調などが原因で起こる頭痛です。慢性的な頭痛が多く、次のような種類があります。

◆ ④の疲れたときに痛みが強くなる頭痛は「気虚頭痛(ききょずつう)」
気が不足して頭部まで気が十分にめぐらないために起こる頭痛で、朝や疲れたときに痛みが強くなる傾向があります。気が不足する原因のひとつが、胃腸の消化機能が弱っているために食事から気を生成する力が少ないこと。日頃から消化にいいものを多くとるようにし、よくかんで食べることを意識してください。薬膳で予防や改善をする場合は、胃腸の気を補って頭部まで気を届ける米、やまいも、鶏肉、はちみつ、なつめなどをとりましょう。漢方薬では補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などが用いられます。

◆ ⑤の鈍い痛みでふらつきをともなう頭痛は「血虚頭痛(けっきょずつう)」
血が不足して頭部まで十分にめぐらないために、脳が栄養不足となって起こる頭痛。鈍い痛みでめまいやふらつきなどをともなう場合が多く、夕方に頭痛が強くなる傾向があります。血が不足する原因のひとつが睡眠不足なので、しっかり睡眠をとることが頭痛の予防につながります。薬膳で予防や改善をする場合は、血を補う食材である鶏肉、レバー、にんじん、ほうれんそう、ぶどうなどをよく食べて。漢方薬では人参養栄湯(にんじんようえいとう)などが用いられます。

◆ ⑥の弱い痛みが続き耳鳴りやめまいをともなう頭痛は「腎虚頭痛(じんきょずつう)」
五臓の腎(じん)の働きが低下することで起こる頭痛。東洋医学における腎は脳を養う働きもあるため、腎の働きが低下すると脳が十分に養われなくなり、弱い痛みながらも慢性的に続く頭痛が起こります。めまいや耳鳴りをともなう場合も。腎は腰に位置するので、足腰をよく動かして鍛えることが腎の働きの低下を防ぎ、腎虚頭痛の予防にもなります。薬膳で予防や改善をする場合は、腎を補うやまいも、たまご、かき、ほたて、黒ごまなどの食材がおすすめ。漢方薬では八味地黄丸(はちみじおうがん)などが用いられます。

◆ ⑦の片頭痛がよく起こる頭痛は「肝火頭痛(かんかずつう)」
ストレスなどの影響で五臓の肝(かん)に熱が生まれ、その熱が頭部に上昇して起こる頭痛。側頭部が痛くなる片頭痛が多く見られます。熱感をともなうことが多く、運動や入浴によって痛みが悪化する場合も。肝に熱をためないためには、ストレス発散を意識することがポイントです。また、スマホやパソコンなどで目を酷使すると肝に負担をかけるので、控えめに。薬膳で予防や改善をする場合は、肝の熱を冷ますセロリ、トマト、白菜、菊花などをよくとるといいでしょう。漢方薬では釣藤散(ちょうとうさん)、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)などが用いられます。

◆ ⑧のぼんやりした痛みがしつこく長引く頭痛は「痰濁頭痛(たんだくずつう)」
体内にたまった余分な水分がドロドロ状になって気や血の流れを阻害し、頭部に十分なエネルギーが届かなくなるため、ぼんやりした頭痛が起こります。食べすぎている人やむくみ体質の人に多く見られる頭痛で、痛みがしつこく長引きやすいのが特徴。運動や半身浴などで汗をかいて余分な水分の排出を促すこと、暴飲暴食や過剰な飲酒、冷たい飲食物や水分のとりすぎなどを控えることが予防につながります。薬膳で予防や改善をする場合は、体内の余分な水分を排出するとうもろこし、レタス、大豆、小豆、はとむぎなどの食材を積極的にとって。漢方薬では半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)などが用いられます。

◆ ⑨の場所は固定していて刺すように痛む頭痛は「瘀血頭痛(おけつずつう)」
血のめぐりが悪くなり、ドロドロ状になってつまりやすくなることから生じる頭痛。痛む場所は固定していて、刺すような痛みがよく見られます。気のめぐりが悪くなると血のめぐりも悪くなるので、気のめぐりを悪くする最大要因であるストレスをためないことが予防策となります。薬膳で予防や改善をする場合は、チンゲンサイ、にら、なす、酢、紅花、ターメリックなどの血のめぐりをよくする食材をとり入れましょう。漢方薬では血府逐瘀湯(けっぷちくおとう)などが用いられます。

ひとくちに頭痛と言っても原因はさまざま。ぴったり合った養生法を実践して、頭痛に悩まない春を過ごしてください。

※漢方薬は医師や薬剤師に相談して選んでください。

画像素材/PIXTA

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この記事を書いた人

国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライター TSUBO

国際中医師・国際薬膳師・東洋医学ライターTSUBO

健康雑誌編集部員をへて独立し、以後、健康や美容に関する雑誌・書籍・WEBの企画・編集・執筆を数多く手掛ける。現在は主に東洋医学による予防医学や、東洋医学から見た自然と人体のつながりについて執筆活動中。

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Twitter:@MomoOtsubo
Website:https://toyoigaku-shizen.com/

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