誰にも聞けない!? 尿もれのハナシ
尿もれリスク度とタイプを知ろう
くしゃみや咳でうっかり、外出もままならない、寝ている間も不安、など尿もれで悩んでいる50代は珍しくありません。
原因と対策を知って改善していきましょう。
お話を伺った方
泌尿器科医師
佐藤亜耶先生
医学博士、日本泌尿器科学会認定医師。日本大学泌尿器科などを経て、2019年女性と子供に特化した自由が丘ウロケアクリニックを開院。女性に寄り添う泌尿器科として悩みの解消にあたる。
なぜ起こる?
骨盤底筋のゆるみが要因に
40代以上の2人に1人は経験あり!
ふとした動きでヒヤッとしたり、突然の尿意が我慢できずにトイレの前でもれてしまったり……。
気になるけれど、人に相談しにくい尿もれ。
「40代以上の女性の2人に1人が、尿もれを経験しているというデータもあります。特に、出産を経験している人、更年期を過ぎた人、体重が急に増えた人は尿もれしやすい傾向にあります」と、佐藤亜耶先生。
「読者世代で多い尿もれには、大きく二つのタイプがあります。ひとつは腹圧性尿失禁。骨盤底筋という骨盤の底にハンモックのような形をした筋肉群があります。骨盤底筋は臓器を支えるだけでなく、尿道や肛門、腟を締めたりゆるめたりして、排尿や排便のコントロールをしています。
その骨盤底筋がゆるんでくると、くしゃみや重いものを持った時にかかる腹圧に耐えられなくなり、尿道がゆるんで尿がもれてしまうのです」。
もうひとつは、切迫性尿失禁。膀胱が過敏になることで、尿が十分にたまっていなくても本人の意思と関係なく膀胱が収縮して急な尿意をもよおします(過活動膀胱)。
それで間に合わずにもれてしまったり、頻尿になるケースです。それぞれ別の症状ですが、年齢が高くなるとこの2つが混在する混合性尿失禁も増えていきます。
「泌尿器科への受診は、ハードルが高く感じるせいか、尿もれは我慢している人が多くいます。でも、そのせいで外出をためらってしまえば生活の質に影響します。予防や症状が軽いうちはセルフケア、治らない場合は、泌尿器科を受診するのがおすすめです」。
尿もれの原因
⚫︎ 妊娠・出産
⚫︎ 加齢による筋肉量の低下
こんな人は尿もれになりやすい!
骨盤底筋に圧がかかる人は要注意
□ 重いものを持ち上げるなどの力仕事
□ 肥満
□ 便秘がち
□ ランニングが習慣
骨盤底筋がゆるむとは?
骨盤底筋のゆるみはポッコリおなかの恐れも
骨盤底筋がゆるむと、子宮や直腸などの臓器を支えられず、内臓が下がってしまいます。
内臓が正しい位置にないと、下腹がぽっこり出て見えるように。
骨盤底筋を鍛えることで、ぽっこりおなかも解消できるかもしれません。